中川前財務相の失態、幸運にも円安を招く:日経ビジネスオンライン
だが、そろそろ中川氏を少しは寛大な目で見てもよいのではないだろうか。記録的な支持率低下にあえぐ麻生太郎首相が中川氏に一杯おごることは当面なさそうだが、中川氏の失態は、日本経済が直面する問題と脆弱な麻生政権に世界が目を向けるきっかけとなった。
一見、朗報とは思えないことだが、おかげで投資家が円について考え直すようになったのだ(最近行われたある世論調査では、麻生首相の不支持率は80%だった)。皮肉にも、投資家が日本の現状を認識したことが、低迷する日本経済にプラスに働いたかもしれないのだ。
BusinessWeek誌の記事ですが、いま世界が「中川力」に注目しています。
どういうことかというと、
ところが、中川氏は期せずして、政府の為替相場操作術を解説する書物に新たな1章を加えることになったのかもしれない。中川氏の醜態が世界各国で報道されてから、円は主要通貨に対して下落しているのだ。
G7会見の前、円は1ドル=91円90銭近辺で推移していた。だが、2月25日の東京市場では、昨年11月半ば以来の1ドル=97円まで下落。1週間余りで実に5.6%も下げる結果となった。
投資顧問会社タンタロン・リサーチ・ジャパンのイェスパー・コールCEO(最高経営責任者)は、改革派の小泉純一郎元首相を引き合いに出し、中川氏の酩酊会見は「小泉政権以来最も有効な政策だ。日本銀行で3年間審議しても、これ以上に効果的な刺激策は出ないだろう」と語る。
こんな「斬新な」為替介入の方法は、今まで誰も思いつかなかったし、実行されることもありませんでした。 何よりG7の会見場という最高の舞台でそれをやったのがすごいです。
日本だけ為替介入しても効果は期待できないし、他国から非難を浴びることにもつながりますが、酩酊会見であれば「日本だけ酩酊してずるい」とは非難されないでしょう。
次は民主党政権かなと思っていましたが、はたして「中川力」に匹敵するような力を持った政治家はいるのでしょうか? つくづく永田氏を亡くしたのは残念だったと思います。