世界各地で事業を展開する企業は、ドル以外の通貨によって利益が左右される場合もある。ホンダの場合、同社の自動車の最大市場は米国だが、新興市場では自動車よりも2輪車メーカーとして市場に浸透している。前期(2009年3月期)では、ホンダの世界全体での2輪車販売の約10%、自動車販売の3%強はブラジルが占めている。そのブラジル事業における為替対策は、まさに典型的な事例だ。
ホンダによれば、ブラジルで販売した2輪車136万台と、小型車の「フィット」及び「シビック」の計12万台はすべてブラジル国内の現地工場で組み立てた製品だという。だが、2輪車部品の約3%、自動車部品の40%はブラジル国外から調達している。そして、収益は年度末に日本に移転させている。
今年度(2010年3月期)も状況はそれほど変わらないだろう。ドイツ証券(DB)のアナリスト、クルト・ゼンガー氏は、ブラジルの通貨レアルに対する円高により、営業利益が約350億円減少する可能性もあると分析する(ホンダは、約450億円の為替差損計上の可能性を予測)。これに対し、対ドルの円高で想定している損失は約360億円、対ユーロでは260億円だ。「痛みを伴う調整局面は依然として続いている」(ゼンガー氏)。
レアルは昨年末に対ドルで2.5をまで落ち込みましたが、今は2.0くらいまで上げてきています。 でも変動が激しいので、リスクは大きいですね。
アルゼンチンはどうなんだろう?