意外に伸びない!?新型プリウスの実用燃費

【グリーンカー部門賞】トヨタ自動車「プリウス」 - ATI2009 - Tech-On!

高速燃費については、欧州のディーゼル車も強く意識しました。競合する欧州のディーゼル車の120km/h走行時の燃費が19km/L 弱なのに対し、従来型プリウスは17.2kmと劣っていましたが、新型プリウスは19km/Lを超える燃費を実現しました。150km/hまでの速度領域で、競合するディーゼル車に負けない燃費を実現しています。このためには、エンジン排気量を1.5Lから1.8Lに増やして高速走行時のエンジン回転数を下げる、EGR冷却で吸気の温度を下げるなどのパワートレーンの改良のほか、空力抵抗でも本当に細かい部分まで配慮して従来型のCd 値0.26から新型は0.25と、世界最高水準にまで引き下げました。(中略)
 
苦労したのは、やはり燃費ですね。なかなか最後まで目標を達成することができず、車両開発の責任者とハイブリッド開発の責任者で、何度となくミーティングを重ねました。それぞれの部門がそれぞれの目標を掲げて努力するわけですが、きれいに目標を達成できればいいけれども、なかなかそういうわけにいかない。そこで、お互いに細かい調整をしながら、補い合うように努力しました。

インサイトがグランプリでプリウスが部門賞というのは、トヨタとしては納得いかないのでは?

それはさておき、モーターファン別冊『ハイブリッド&次世代車のすべて』を読んだんですが、新型プリウスの燃費は22.2km/Lでした。 ちなみにインサイトは18.7km/Lくらいと、ほぼ予定通りの燃費でした。 発売中の『NAVI』8月号でも、ほぼ同じくらいの燃費でしたね。

二代目プリウスは21km/Lくらいということでしたから、少なくとも2km/Lはアップしているだろうと思っていたので、ちょっと意外です。 これじゃ車両価格差を回収するには、かなり走らないといけませんね。
もちろんプリウスで本気の省燃費運転に徹すれば、インサイトなど及びもつかない燃費を叩きだせるのは間違いありません。


トヨタ、「プリウス」が「2015年度燃費基準」を達成 - L-Cruise - TRENDYnet

2015年度燃費基準は、車両重量によって16区分に分けて設定されている。プリウスの車両重量は1260~1300kgで、燃費区分の「1196kg以上1311kg未満」に該当し、JC08モード燃費が17.2km/L以上で新燃費基準をクリアできる。プリウスのJC08モード燃費は27.0~29.6km/L(10・15モード燃費は30.0~35.5km/L)となり、2015年度燃費基準を達成している。

前のプリウスは10・15モード燃費は35.5km/Lなので、新型は38km/L(「L」グレード)と向上しているのは確かです。
でも、もし最廉価の「L」グレードがなかったら、カタログ上は35.5km/Lで変わってなかったことになります。

そういう意味で「L」グレードはインサイト対策などではなく、カタログ燃費対策と考えるべきなのでしょう。 「L」の車両重量は1310kg。 前のプリウスと同じ「1196kg以上1311kg未満」にギリギリ収まっています。
「L」はフォグランプやリアセンターアームレスト、運転席シート上下アジャスターが削られたり、スピーカーが4個になっています。 低価格化ももちろんですが、本当は軽量化が目的だったのでしょうね。

さらに「L」だけタイヤも違うんですよね。

【トヨタ プリウス 新型発表】LグレードにグッドイヤーGT3を採用 | Response.

トヨタ自動車の新型『プリウス』。新車装着用タイヤにグッドイヤーの「GT3」(サイズ185/65R15 88S)が採用された。205万円の「Lグレード」に装着されるのがこのタイヤとなる。
 
同サイズのGT3は、2003年9月に発売された2代目プリウス向けに技術承認を取得して新車装着用タイヤとして供給していた。今回、3代目にも継続して供給することが決まった。
 
GT3は安全性能と環境性能の両立を図ったタイヤで、3本の溝をもつリブ基調のトレッドパターンの採用やシリカなどを使用することで高いウェット性能と低転がり抵抗を実現したとしている。

他のグレードに採用されているBS「ECOPIA」TOYO「PROXES」と比べて、どちらが燃費が良いのかは不明です。 一般的にはタイヤ幅が狭い方が、転がり抵抗は少ないです。


新型プリウス開発時にトヨタが意識していたのは、欧州での対ディーゼルの戦いでした。 日本国内で車両価格差も含めたインサイトとの戦いは、全くアタマになかったしょう。 トヨタが慌てふためき、過剰な反応を示したのも無理からぬことだと思います。