Chrome OSへの期待と疑問

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まずは疑問の方から。

「畑違い」のGoogle OSへの不安と疑問 - ITmedia アンカーデスク

OS事業は非常に競争が激しい。MicrosoftはWindowsを世界中のコンピュータに載せるためにどんなことでもやってきたし、既にPCメーカーと大規模な契約を結んでいる。ハードメーカーは積極的にWindowsとLinuxを捨ててGoogleのOSに乗り替えるだろうか? しっかりしたビジネスモデルがなければ、PCメーカーは乗り替えようとしないだろう。彼らが最も望まないのは、「賭に出て大量の(Chrome OS搭載)PCを投入したけれど、結局ユーザーは店に入るとまっすぐにWindows PCに向かっていく」というような状況だ。まさに大失敗だ。
 
それに、人々は変化を望まない。新しいOSはクールかもしれないが、みんなは既に今のOSに慣れているから、変化には抵抗する。「わたしがよく知っているMicrosoft Wordはどこ?」というわけだ。使い慣れるまでに時間もかかるだろう。Googleはそう思っていないかもしれない。Chrome OSは明らかにシンプルなOSになるだろうし、ChromeブラウザがメインのGUIになるからだ。しかし、ここが心配なところだ。ユーザーはWindowsのタスクバー、スタートメニュー、デスクトップのアイコンになじんでおり、必要なソフトにたどり着く方法を知っている。それをすぐに簡単に変えられるだろうか? リーナス・トーバルズ氏が、「ユーザーはばかだと決めてかかっている」とわたしたちを非難したことがあった。彼の懸念は確かにもっともだが、そこには境界線がある。コンピュータを使わなければならないけれど、「コンピュータの達人」でないユーザーは、新しいものを簡単に習得して、すぐに乗り替える(WindowsからLinuxに乗り替えるように)ことはないだろう。

OS事業に競争なんてないよ。 あるのは寡占だけでしょ?
Chrome OSがWindowsと競合できるのは当面はネット接続端末であって、Officeを使う人はWindowsを使い続けるでしょう。
それに「コンピュータの達人」どころか「初めてさわる」ユーザーにとっては、Windowsは複雑すぎます。

この記事を書いた人は

変化を受け入れない年寄りのようかもしれないが、わたしはコマンドプロンプトでかなりの作業をこなしている。ディレクトリにアクセスして、手動でファイルを編集できるのがいいのだ。だが、Chrome OSがウィンドウシステムではなく、ブラウザがGUIになるのなら、どうやってお気に入りのテキストエディタ(Linuxではnedit、Windowsではscite)を開けばいいのだろうか?

という人なので、明らかにChrome OSのターゲットユーザーからは外れています。
いつでもこういうヒステリックな反応を示す人はいるものです。

次に、ドライバの問題がある。わたしが持っている優れもののガジェットはUSBケーブルとWindows(時にLinux)ドライバが付いており、コンピュータにつなぐことができる。Chrome OSはこうしたデバイスをサポートするだろうか? 同OSがUbuntu――ユーザーが必要とするであろうドライバがほとんどそろっている――のようなものであれば、サポートするだろう。だが省機能の軽量OSなら、ドライバはないだろう。ガジェットメーカーはデバイスドライバを作らなければならなくなる。作るとして、どのくらいの時間がかかるのだろうか?
 
Webブラウザで動作するオフィスアプリケーションを開発するのと、フル機能のOSを作るのは全くの別物だ。Googleには本当にそれができるのだろうか? 彼らはそのことをどのくらい考えたのだろうか? 個人的には、技術的、ビジネス的な観点から、彼らにそれができるかどうかはかなり疑わしいと思っている。どちらかというとクールなGoogle Labsプロジェクトのようで、必ずしも現実的なビジネスモデルのようには思えない。

Androidもそうですが、Chrome OSのカーネルはLinuxベースなので、そのデバイスがUbuntuで動くならChrome OSで動かすのは難しくないのではないでしょうか?


一方でこんな期待の声もあります。

【笠原一輝のユビキタス情報局】 Wintel帝国崩壊の第一歩となるか、Google Chrome OSの衝撃

残念ながら、この広告型モデルは今のところ最強だ。Microsoftがこれに対抗するには、Microsoftの方も広告型にする必要があるが、現在までのところMicrosoftがそれに成功していないのは明らかだ。Microsoftの決算を見ていても、いまだ最大の売り上げはこうした税金型からのものであり、仮に広告型に移行するとしても、かなりの出血は避けられないだろう。
 
もちろん、Google Chrome OSを搭載した製品のリリースは2010年後半と、あと1年もあるので、今後Microsoftがそれに対抗するような施策を打つ可能性があるため、必ずしも成功が約束されているとは言わないが、すでに述べたようにMicrosoftが広告型へ移行するのが難しい以上、成功の可能性はかなり高いのではないかと筆者は考えている。
 
そして、仮にネットブックのジャンルで成功を収めれば、10型以上のフルPCの市場にもGoogle Chrome OSが普及するというシナリオだって充分考えられるのではないだろうか。これは充分に“Wintel帝国の終わりの始まり”と表現するに十分なものだと思うのだがいかがだろうか。

金融危機による世界不況で、広告型ビジネスモデルに行き詰まりがみられるというのが共通認識だと思っていたのですが。
「終わりの始まり」だとしても、それはかなり長い間続くことになるでしょう。 Windows OSの寿命はあと15年くらいはあるんじゃないかな?