野辺氏は、1から10まで自社で開発すると言った垂直統合モデルでは、こうした新しい時代のカーナビのニーズには対応できないと指摘した。野辺氏は「現在のカーナビの開発では独自仕様で画一的な仕組みになってしまっており、柔軟性がない。ある製品を別の地域でも販売しようと考えると、事実上作り直しに近い形になってしまい、それが高コストにつながり価格に反映せざるを得なくなり、売れないという事態を招いてしまっている。そこで、製品作りを階層化し、標準的なOSを採用するなどアーキテクチャを変更し、低コストで作れる仕組みを導入する必要がある」と述べ、今後は頭を切り換えて水平分業の仕組みへと移行していく必要があるとした。
野辺氏はこうした垂直統合モデルから水平分業モデルに舵を切るのは歴史の必然であると言い、「1990年代半ばまでの日本語ワープロは各社独自仕様で機能の追加を図っていた。しかし、階層仕様のビジネスモデルを採用したパソコンが登場すると、それに取って代わられた。各社が独自にゼロから技術を開発してきたワープロではコスト的に太刀打ちできなかったからだ。同じことはNECのPC-9800シリーズが、標準技術を利用したPC/AT互換機にとって代わられたことにも言える」と、カーナビビジネスの現状が、90年代に日本語ワープロがパソコンに取って代わられたのと同様の状況であると述べた。
「ゆとり」という言葉と同じで、とりあえず何でも「ガラパゴス」と言っちゃえばOKなのか、って疑問がありますが。
言ってることは間違いではないけれど、アプリケーションを自由にインストールできるPCと、組み込みのカーナビを同列に語るのはムリがあります。
ユーザーにとっては、ちゃんと目的地に着ければいいのであって、カーナビが独自OSか標準OSかなんて関係ないですから。
ハイブリッドと同じで、カーナビでもトヨタやホンダに水をあけられた日産としては、標準化にすがるより他ないのかもしれません。