慶応大学が考える「次世代電気自動車」戦略

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:
  • ハッシュタグ:

トヨタ、日産も密かに気にする 慶応大学「次世代電気自動車」戦略の実態 | エコカー大戦争! | ダイヤモンド・オンライン

また、部品点数が少ないため、メンテナンス性も高い。ただ、インホイールモーターに対する根強い反論として、バネ下重量(サスペンションの下側の重量物/これが重いと車の動きが悪くなると言われている)の重さを指摘する声がある。だが、エリーカの実際に乗った人で、バネ下重量が重さ(の悪い面)を指摘した人はこれまでに誰もいない。

そりゃエリーカで悪路を走ってないからだろ? ドラッグレースするだけなら、バネ下重量は関係ないからね。

他にも突っ込みどころ満載です。

三菱「iMiEV」は、「ダーウィンの海」の前だ。これから海を渡れるのが勝負。課題は、これまでの競合製品(=ガソリン車)に対して、値段と性能などあらゆる面で勝てるかどうかだ。価格については、年10万台を超えるとガソリン車と同等化する。自動車産業では組み立て工場の1本のラインは年産10万台がベース。これが大量生産のワンユニットとなる。EVは元来、シンプルな構造で部品点数が少ないので、ガソリン車より高くなるわけが無い。

カムリの2.4L 直4エンジンのコストはたったの$1,000です。 シンプルになるといっても、バッテリーや車載充電器、電力制御系の部品が加わるので、構造や部品点数のメリットは大して大きくないですよ。

また、リチウムイオン二次電池の高価格が、EV普及の弊害になっているが、年産10万を超えれば、当然安くなる。現在の自動車は、原材料(鉄、ゴム、アルミ、ガラス、プラスティック)は1トンあたり約20万円だ。それが、我々が電池メーカーから買うリチウムイオン電池の原材料は1トンあたり 4000~5000万円もする。トヨタが当分の間、EVではなくハイブリッド車を主流とするのは、電池の価格が当面高いと思っているからだが、年産20万台になれば、原価は10万円になるはずだ。

大量生産すれば価格が下がるというのは、生産の自動化や効率化で労務費や設備償却費が下がるからなんですが、原材料コストというのは下がりません。 むしろ需給の関係で高騰する可能性もある訳で。
仮定の話としてはよいですが、バッテリーの低価格化に社運を賭けるのは、異業種から参入する新興メーカーか、ハイブリッドに乗り遅れて焦っている自動車メーカーだけでしょう。

それに、電気自動車本体は最終的に本体サイズが小さくなり、バッテリー容量も小さくなる。1台あたり、数KWh (i-MiEVは20kwh)になる。電気自動車は商品として、ドンドン形が変わっていく。だから、最初からインフラを考えても意味が無い。インフラが先に出来てから普及した技術など過去に無い。車では、徐々に性能が上がり、馬車道から舗装路面、そして高速道路ができた。携帯電話でも、狭いエリアから徐々に世界に広がった。
 
また、商品のカタチの話では、携帯電話も初期型は電話の格好をしていた。20年前に現在の携帯電話の形状は予測不可能だった。いまの電気自動車のインフラの議論は、あまり距離走らない、電池が多く積む、充電時間が長いという前提があり過ぎるのが問題だ。

携帯電話の話はさておき、要するに現在の内燃機関車のフォーマットのままEV化するのではなく、EVの特性に合わせた新しいフォーマットになるべきということなんでしょう。 この考え方は、8輪車のエリーカからも伺えます。

でもそんなフォーマットのクルマを、消費者が求めているかどうかは別問題です。
「長距離移動? 電車の方がエコだよ」というのは正論ですが、いままで出来たこと(長距離移動、多人数乗車、短時間でどこでも給油できる)が出来なくなるのが、果たして商品として進歩なんでしょうか?

Q)燃料電池車は、電気モーター駆動という面ではEVだが、将来普及するのか?
 
A)いや、(ピュアな)電気自動車しか、生き残らない。エネルギー効率を、化石燃料を基点に考えると、電気自動車は35%(発電53%、送電 96%、充電85%、モーター80%)、ガソリン車は8.6%(精製92%、輸送98%、エンジン+機械損失9.6%)、燃料電池車は30%(水素製造 60%、電気発生50%)だ。また燃料電池を推進する人で、太陽電池から水の電気分解をして水素製造する案があるが、それなら太陽光発電から直接電気自動車でいいはずだ。

何度も書いてますが、「短時間で充電できて低価格で大容量」という理想的なバッテリーがあるなら、燃料電池は不要だと思います。 そうじゃないからFCVが開発されているのです。
これまた、クルマのフォーマットやアプリケーションが変わるべしとするのがEV派なら、維持すべしと考えるのがFCV派なのではないでしょうか。

それに「VITZ 1.0F」のWebサイトの「電気自動車 - i MiEV のデータから」というページにもあるように、EVのエネルギー効率がガソリンハイブリッドより優れているのか疑問という意見もあります。 この辺りは今後明らかになっていくと思います。


舘内端氏なんかもそうですが、EV推進派のプロパガンダってどうも胡散臭く感じてしまいます。 そんなに有望なら、自分たちでEVメーカー起業して作ってしまえばいいのにね。