『日本の私鉄 西武鉄道』 広岡 友紀(著)

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日本の私鉄 西武鉄道
日本の私鉄 西武鉄道
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広岡 友紀
毎日新聞社
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おすすめ度の平均: 5.0
5 西武鉄道・西武線に少しでも興味がある方におすすめ

毎日新聞に小さく紹介されていたので、買ってみました。 鉄道関係の本を買ったのは初めてです。

埼玉新刊:「日本の私鉄 西武鉄道」 /埼玉 - 毎日jp(毎日新聞)

意外と知られていないエピソードも多い。例えば、JR新宿駅と西武新宿駅が離れているのはなぜか。背景には1950年代の周辺での西武百貨店と高島屋、伊勢丹を巻き込んだ百貨店の出店競争があった。
 
軽井沢までの延長を夢見ていた秩父線の延長計画、幻に終わった多摩ニュータウン線などの秘話も満載。50年代ごろの「赤電」から、新型の30000系までの車両の写真も収録。鉄道ファン、西武沿線在住者には必読の一冊。

87年に上京してから、16年間狭山市に住んでいたので、関東の私鉄で一番馴染み深いのが西武鉄道です。 当時はまだ狭山市~本川越間が単線でした。 最初の8年は電車通勤をしていたので、毎日運行しながら複線化を進めていくのを「すごいなぁ、けど早く終わらないかなぁ」と思いながら見ていました。

当時から「狭山市駅から入間市駅までつながっていれば、川越から飯能に行くのがラクなのに」とか、「なんで多摩川線なんてあるのだろう?」とか思っていました。
本書を読んで、西武鉄道の成り立ちが理解できました。 コンパクトにまとまった良書だと思います。 

個人的には路線の歴史をもう少し掘り下げてほしかった(安比奈線にも言及してほしかった)ですが、これ1冊でかなりのことがわかると思います。 西武鉄道には社史がないらしいですが、その代わりになりそうです。

次は京王電鉄が予定されているそうですが、東武や国鉄(八高線、川越線、五日市線、青梅線)あたりも取り上げてほしいです。


ところで読み進めるまで、著者が女性とは気づきませんでした。 70年に少女時代を過ごされたそうなので、自分より10コくらい上かな? その頃から「鉄子」なのだそうです。
元米国系航空会社でCAをされていたそうなのですが、鉄道事業に関する造詣の深さ、技術的知識の厚みにはまったく脱帽です。

カーマニアだって、自動車産業やその技術について、ここまで詳しい人はいないでしょう。 鉄道マニア、おそるべし。