EV用急速充電器は、いずれ電話ボックス化する?

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:
  • ハッシュタグ:

電気自動車、普及に向け不安:日経ビジネスオンライン

今のところ、事業の将来性は見えていない。コスモ石油の森山幸二・販売サポート部長は、「電気自動車向けのエネルギー供給でビジネスを成り立たせるのは難しい」と打ち明ける。理由は、電気料金が安すぎるからだ。
 
同社の試算では、1度の充電にかかる電気代は約200円。ここに経費や利益を乗せても、売り上げはガソリンの給油に比べて1ケタ低い。これでは単価が安すぎて商売にならない。洗車などほかのサービスも売り込んで客単価を上げる、あるいは急速充電サービスを会員制にして顧客を囲い込む、といった様々な案を検討しているが、決め手は見つかっていない。

確かにEVが普及すれば、GSはどんどん減るんでしょうね。 20年後には半減しているのかもしれません。

パーク24の「急速充電器よりコンセント設置が先」というのも正論ですね。

3つ目の課題は、電気自動車の活用や充電インフラ整備で先行すると見られる大手企業が、急速充電器の必要性をあまり感じていないことだ。例えば、今年度、営業車などに40台の電気自動車を導入する郵便事業会社。同社のクルマは一部を除くと、特定エリアでしか使わないため、1日の走行距離は限られる。経営企画部の山田春樹担当部長は「200ボルトのコンセントで夜間充電すれば、事は足りる」と話す。 (中略)
 
補助金を出して急速充電器の普及を進める国も、設置をどこまで支援すべきか距離を測りかねている。将来、電気自動車や電池の性能向上で航続距離が延びたり、コンセントでの充電時間が大幅に短縮する技術が開発されたりすれば、急速充電器の必要性が薄れるからだ。「携帯電話が普及した後の電話ボックスのように、あまり使われなくなるかもしれない。補助金をつけてたくさん置けばいいとは限らない」。経済産業省自動車課の阿部耕三・環境係長はこう話す。

「EVは深夜電力で充電できるからオトク」と強調し過ぎるもんだから。 結局は電池性能の大幅な向上を待たなければ、EVを使ってレジャーで遠出は不可能なようです。

もう一つ、別の記事ですが、

単独では到底実現できない 日産の強気な電気自動車戦略 | inside Enterprise | ダイヤモンド・オンライン

ところが意外なことに、じつは電力会社にとって電気自動車の充電インフラはビジネスにはならない。理由は明白、1基数百万円する急速充電器整備に対して、電気自動車が1回フル充電したところで電気代は100円前後。とても割に合わないのだ。将来的にガソリンスタンドがすべて充電施設に取って代わるとしても、はるか先の話。そのため、電力会社内部でも、協業に対しては推進派と保守派に分かれている。
 
「現在の取り組みは電気の有効活用先の一つとして可能性を探るため」(東京電力幹部)で、脱石油社会を新たな成長のキーワードに掲げ、普及を急ぐ自動車業界とは、スピード感が異なるのが実情だ。

新たに多大な設備投資をしてまでやるほどのことではない、というのが本音でしょう。
ましてや、ガソリンや軽油の販売量減少を補うために、電気料金に炭素税を掛けるなんてことになったら、電力業界としては何の意味もありませんからね。