ホンダのEVは、カリフォルニアZEV規制対策?

なぜホンダはEV開発に乗り出したのか? カリフォルニア規制と電気自動車(09/09/09) | NIKKEI NET 日経Ecolomy:連載コラム - 4次元エコウォッチング(安井至)

なぜ、ホンダは、電気自動車の発表をしたのか。それは、メディアが電気自動車を作ると言えば、技術力があると評価されるからではなかった。(中略)
 
ホンダがカリフォルニア州で年間何台の車を売っているか分からないが、仮に03年以降毎年30万台だとしたら、09~11年の間に、のZEVを2460クレジット分導入する必要がある。
 
FCVのクラリティーでこれを満たそうとすると、352台必要。これは1台1億円だとしても352億円を売る必要があり、余りにも高すぎる。それなら、iMiev程度のZEVだと984台必要になるが、1台400万円だとしても総コストが40億円以下で、圧倒的に低い。

んー、まあそうなんだけど、コストだけで考えるなら 2460クレジットX $5000 = $1230万(11億6850万円)の罰金払った方がもっと安いよ。

もちろん、短期的な話じゃなくて、中長期的視野でEVを開発しているんでしょうけど。

12年以降になると、年間30万台の車をカリフォルニア州で売るとなると、毎年2370クレジット分のZEVを販売する必要が出てくる。これはなかなか厳しい。しかも、もしもプラグインハイブリッド車の開発ができないとすると、その分を、ZEVでカバーする必要が出てくる。
 
そのため、ほとんどすべての車メーカーは、少なくともカリフォルニアで車をまともに売ろうとする限りにおいて、プラグインハイブリッド車が必須になる。
 
GMのボルトのようなシリーズ型のプラグイン・ハイブリッド車は効率が良くないが、プラグイン・プリウス型の車を作ることよりははるかに簡単なので、EVを作ると称している多くのメーカーは、この方向を目指すのではないだろうか。

プラグインハイブリッドの場合、シリーズ型と(プリウスも含む)パラレル型と、どちらがいいんでしょうかね?

いったんエンジンで発電して、その電力でモーターを回すなんてすごくムダな感じもするんですが、発電に特化したエンジンなら小型・軽量に出来ますし、複雑な出力制御や変速機構も要らないので、そんなに悪くないのかもしれません。

ただ、だったらレシプロエンジンよりもガスタービンとかロータリーの方が、振動の面でもいいんじゃないのかなと思うんですが、昔から開発している割にうまくいってないのは、何かネガがあるんでしょうね。

それはさておき、

要するに、カリフォルニア州のZEV規制に対応することが、米国で車を売りたいと考える世界の自動車メーカーにとって、最低限満たすべき必須条件になっているのである。
 
しかも、それにはいくつかの対応の方法がある。そこで、現時点で開発に着手したとしても、12年までにプラグインハイブリッド車を開発するのは大変だろうから、自動車として開発が簡単なEVでその条件を満たそうと考えるのが普通である。
 
日産のように、単なる対応に留まらず、20万台のEVを売ることでカリフォルニア州のZEV規制などなにするものぞ、という心意気をもつこともやり方として無いとは言えないが、そんな数のEV車を誰が買ってくれるのか、となると、これは全く別の話である。

日産がトヨタ並みとは言わないが、ホンダ程度にハイブリッド車を販売していたとしたら、ここまでEVでリスクを取らなくてもよかったでしょう。

カリフォルニア州のZEV規制で問題なのは、メーカーにZEV車を売れと言っているけれど、消費者がそれを買うかどうかは保証しないことだよ。

90年代のEVみたいに、メーカーが用意しても全然売れない可能性はかなりある。 ガソリンに高い税金をかけて、消費者をZEVに向かわせるようにすればいいけど、そんなことしたら暴動が起こるから、メーカーに全てを背負わせているだけなんだよね。

太陽電池だって補助金や買取制度なしでは離陸しないように、EVもどんなに規制を強めようが、技術開発のペース以上には普及しないと思うよ。