NIKKEI NET(日経ネット):トヨタ、米中で工場建設再開 年産20万台、10年度稼働へ
トヨタ自動車は米国と中国で新工場建設を再開する。両工場の年産能力は計20万台で、ともに2010年度中に稼働させる計画。トヨタは昨秋の金融危機後の販売急減を受け、大型投資案件を凍結。一部工場の生産ラインを休止するなど、余剰生産能力については削減する方針。ただ成長市場の中国と、急激な円高で日本からの輸出採算が悪化している米国での戦略投資は、競争力維持に不可欠と判断した。
米国で建設を再開するのはミシシッピ工場。07年4月に着工し、当初は約13億ドルを投じ、10年からハイブリッド車「プリウス」を生産する計画だった。金融危機で稼働時期は未定となっていた。建屋はすでに完成しているが、生産設備は納入していない。
現在でさえ300万台もの余剰生産能力を抱えていると言われるトヨタですが、強気というかなんというか。
asahi.com(朝日新聞社):トヨタ、ミシシッピ工場を2011年に稼働へ 円高受け - 愛車
トヨタ自動車は米ミシシッピ州で建設中の工場を、2011年に稼働させる方向で検討に入った。景気悪化で稼働を見合わせていたが、円高ドル安で日本からの輸出採算の悪化が見込まれるため、改めて現地生産能力の増強を急ぐことにした。中国でも10年度中に新工場を立ち上げ、販売拡大を目指す。
ミシシッピ工場の生産車種はハイブリッド車「プリウス」から、小型乗用車「カローラ」に変更。生産台数は年10万台規模とみられる。
同工場は当初10年後半の操業開始を目指していたが、リーマン・ショック後の新車販売の落ち込みで昨年12月、稼働の延期を発表していた。
だが、ドル円相場が一時、トヨタの想定(下期で1ドル=90円)を超える1ドル=84円台に進み、現地生産で対応しないと収益が悪化するとの懸念が膨らんだ。また、米新車販売市場に回復の兆しが出てきたことから、早期の稼働に踏み切ることにした。
一方、トヨタは完成時期を未定としていた中国の長春第2工場について、10年度中にも操業を始める方針を明らかにした。中国市場が予想を上回るペースで拡大しているためという。カローラを年10万台規模で生産する見込み。
輸出の回復を諦めたということかしらん?
となると次に起こるのは、国内生産の縮小でしょうね。
8月に発表したカリフォルニア州の合弁撤退も懸案のまま。米ゼネラル・モーターズ(GM)との合弁生産会社、NUMMIから経営破綻したGMが撤退を決定。単独では採算が合わないためトヨタも生産打ち切りを決めたのに対し、全米自動車労働組合が反対声明を出すなど、トヨタがやり玉に挙がった。
撤退を決めてから、従業員への対応などを検討してきたが、思うように話は進んでいない。法的整理によってGM側の担当者が入れ替わってしまったため、円滑なコミュニケーションが難しくなっているからだ。トヨタ幹部は「誰と話せばいいのか。キーパーソンが分からない」と頭を抱える。
一方でNUMMIを閉鎖して、他方ではミシシッピ工場を立ち上げるということになれば、「生産能力過剰」という言い訳が効かなくなりそうですね。