ランチア消滅、2011年からクライスラーブランドに? | レスポンス自動車ニュース(Response.jp)
フィアットグループが2011年から欧州の主要市場で「ランチア」ブランドを廃止する可能性が浮上した。イタリアの経済紙『ミラノ・フィナンツァ』が4日、関係者の話として報じたもの。
それによると既存のランチア車は、今年6月にフィアットが正式提携したクライスラーグループの「クライスラー」ブランドで販売される見込みだ。(中略)
もし今回の報道どおりになれば、欧州におけるランチアは、105年でそのブランドの歴史を閉じることになる。欧州地域以外でのランチア・ブランドの扱いについては、現在のところ不明である。
1960年代にランチア車に乗っていたという60代のイタリア人男性は、筆者のインタビューに対し、「昔、ランチアのオーナーは、大衆車であるフィアットのユーザーとは違う、ワンクラス上の人として見られたもの。しかし近年のランチアは、事実上フィアットと同じで、興味が薄かった」と語った。
ランチアより、クライスラーの方がブランド力があるということなのかしらん?
ランチア・ストラトスに憧れて育った身としては、残念というほかないです。
ランチアほど酷くはありませんが、アルファ・ロメオも決して安泰とはいえません。
第121回:風雲! アルファ・ロメオの古都「アレーゼ」の行方
来年2010年は、アルファ・ロメオにとって、創業100周年という記念すべき年である。にもかかわらず、今やアルファ・ロメオとその生誕地ミラノは限りなく縁が薄くなりつつある。そうした意味で、アルファ・ロメオの新型車に「ミラノ」と付けなかったのは正しい選択だったに違いない。イタリアのメディアは、「ミラノのアルファ・ロメオよ、さらば」といった見出しで、アレーゼの最期を報じている。(中略)
また、デザイン開発拠点という視点からは、アレーゼはけっして理想的といえるものではなかった。多くが空室となったアレーゼ本部棟のブラインドは中途半端に開いたり傾いたりしたまま放置されている。往年は従業員や来訪者のクルマで溢れていたであろう駐車場は、雑草が生い茂るようになって久しい。
先日、アウトストラーダから再び社屋を眺めると、窓枠が落ちているところさえ見受けられた。前述のアウトストラーダから見えた“Alfa Romeo”の巨大ネオンは、とっくに取り外されている。
こんな殺伐とした環境で、プレミアムカーを造る人々がイマジネーションを膨らませられるはずがない。ましてや、多国籍体制でデザインチームが組まれる今日、憧れのアルファ・ロメオ・チームで働けると思った外国人デザイナーが、こんなススキが生い茂るような郊外に配属されては泣けてくるだろう。
生まれた風土から切り離されたブランドは、単なる記号でしかありません。
ランチアのように消え去ることのないよう願うのみです。