NIKKEI NET(日経ネット):トヨタ、中国でもリコール 7万5000台対象に
中国で品質問題を統括する政府機関、国家品質監督検査検疫総局は28日、トヨタ自動車から多目的スポーツ車(SUV)「RAV4」7万5552台を対象にリコール(回収・無償修理)を実施するとの報告を受理したと発表した。原因はアクセルペダルの不具合としており、米国での大規模リコールと関連している可能性もある。品質問題が世界最大の自動車市場である中国にも波及したことで、トヨタの経営をゆさぶりそうだ。
トヨタにとっては、中国で評判が落ちるのが一番痛いでしょうね。
危機に直面するトヨタの御曹子(ウォール・ストリート・ジャーナル) - Yahoo!ニュース
過去のリコール事例にかかわっていたトヨタの元幹部は、「何が何でも」成長と利益を目指す同社の姿勢のせいで、品質問題が未解決のまま放置されたとしている。
トヨタの成長への注力は、1995年に社長、1999年に会長に就任した奥田碩元代表取締役の台頭を契機としていた。奥田氏の下、トヨタは世界最大の自動車メーカーになることを目指した。(中略)
拡大を続けるなかで、トヨタは品質問題に直面した。トヨタは2005年に、米国で238万台のリコールを行った。それは同じ年に同国で販売した台数を若干上回る規模だった。
諸問題に直面した当時の渡辺捷昭社長は、2006年、一部新型の導入を半年も遅らせた。この措置は、車両および部品設計に取り組むより多くの時間を技術陣に与えるためだった。渡辺氏は、場合によっては、新製品を導入するために、ほかで予定された製品を全面的に廃止することも決定した。
2カ月にわたる見直しの結果、トヨタは、グローバルな事業拡大重視のせいで、製品開発プロセスにほころびが出ていると結論付けた。渡辺氏は当時のインタビューの中で、同社技術陣が、場合によっては、現物のプロトタイプを製作せずにコンピュータ・シミュレーションに頼りすぎるといった、十分な品質チェックを行うことなしに、製品を急いで送り出していた可能性を指摘した。トヨタはそうしたやり方にブレーキを掛けた。
リコール問題の怖いところは、市場で問題が顕在化するのは数年経ってからというところです。 気がついた時には、当時の担当者や経営者はいなかったりしますし。
トヨタは一時、「車台さえあれば、派生車種は12ヶ月あれば作れる」と言ってました。
トヨタの生産技術担当副社長・白水宏典は、『日経ビジネス』2001年9月10日号で次のように語った。
「『カローラ』クラスの新型車の場合、(外観デザイン承認後に)設計を始めて12ヵ月で組み立てに移せる。 欧米のどの会社もこれには並べない。彼らの場合、30ヵ月以下にするのが目標。当社はいま10ヵ月にしようとしている。戦略上、これは重大な差となる」
「10ヵ月でもまだ長い。みなが驚くくらいに短くしたい。 たとえば、かつて7ヵ月かかったレクサスの金型づくりがいまは2ヵ月でできる。それを1ヵ月以内にするのが当面の目標だ」
「(昔なら実地に模型をつくっていた工程がコンピュータの画面に移行した比率は)約80%だ。 手や工具を入れにくい場所を見きわめるのは、以前なら最熟練の技能工にしかできなかった。いまならコンピュータを使える」
「(コンピュータがコスト削減に)大いに役立った。そのほとんどが試作車製作の必要がなくなったことによる。 トヨタの車種はわずか10年間で5割増えた。(中略)こんなふうに車種が増え、40くらいだったのが60くらいになった。 しかも基本的に研究開発部門の人員を増やさずにすべてをやった」
白水のこの“豪語”は、全世界の自動車会社にとって驚異を通り越して脅威になっているだろう。
V-commの画面上で、何でも検証できると思ってしまったのでしょうね。