Business Media 誠:吉田典史の時事日想:「文系・大卒・30歳以上」がクビにならないために……会社で生き残る方法
そのためには「上司に『かわいいやつだ』と思われることが重要」と深田氏は言い切る。これは建前抜きで、まさしく正論である。時事日想で何度か述べてきたが、会社が社員(この場合はとくに正社員)を辞めさせるとき、安易な解雇はまずしない(関連記事)。あるとすれば、本人がやる気をなくすような仕事をさせること。そして辞表を書くように仕向けることである。
会社員経験の浅い人は、このようにして辞めていく社員を「能力が低い」とか「実績を出すことができなかった」と言うが、それは違うと思う。そもそもそこまで言い切れる根拠があるのだろうか。会社はその社員の成績を下げようと思えば、あてがう仕事でどうにでもできる(関連記事)。このカラクリを心得ているならば、部下はおいしい仕事を獲得することが大切になる。それを踏まえると、上司からそのような仕事を与えられるように何らかの工夫をしていく必要がある。この姿勢もまた、上司からすると、前述の「行動評価(取り組み姿勢や学びなど)」で高い得点を得る1つと言える。(中略)
上司の推薦がないと、会社員はなかなか上に上がっていけないことは事実だろう。中には「実力で上がった」と自らの昇進を誇示する人がいるかもしれない。だが、それは事実だろうか。上司やその上の上司たちが強硬に反対したとき、その人は本当に昇進できるのだろうか。その可能性は相当に低い、と私は思う。
22年間の会社生活から言うと、この記事の主張は全くもって正しいと思うのですが、一方でこんな社員ばっかりになったらイヤだなぁと思いますね。
『「文系・大卒・30歳以上」がクビになる』という本の著者は、
「ただし、上司へのゴマすりだけでは本当の意味で頭角をあらわすことは難しいかもしれません。これでは、上司が出世したときに自分も引き上げてもらうか、上司が退職するときに自分を後任に指名してくれることを待つしかないでしょう。ですから、ほかの会社に行ったとしても通用する能力を身につけることも大切です。このあたりのバランス感覚を身に付けることこそ、20~30代のときにするべきことではないでしょうか」
と言ってますが、これも本当にそうだと思います。
社内の人間関係に頼っていると、イザ会社から放り出されたときに、何も頼るべきものがなくなってしまいますからね。
ツブしの効くスキルを一つは持っておいた方がいいと思いますよ。 でも、ユーキャンがCMしている資格は役には立ちません。
ところで、この記事を書いている吉田典史という人は、「会社の中でいかに生き抜くか」をテーマとした執筆が多いようですね。
会社員経験のほとんどない「有識者」はこんなセリフをよく言う。「終身雇用制が崩壊したから、会社にぶらさがるのではなく、自分のスキルやノウハウを磨くべき」。さらには、なぜか論理が破たんして「会社を辞めろ!」などと言う人もいる。
私は、この考えに反対だ。次の会社に行こうと、その次に行こうとも、上司は存在する。会社が会社である限り、経営者を中心としたヒエラルキーがある。この中で生きていく技術を持たない限り、スキルやノウハウなど職務遂行能力がどれだけ高くとも、一定のペースで昇進はできない。
このあたりが「非正社員の味方」の城繁幸と違うところですね。 ちなみに城繁幸は富士通でサラリーマンしてた経験がありますけど。