アイドル不在の時代と、クルマ雑誌の休刊の関係

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第40回 元NAVI編集者小沢コージが語る!老舗自動車誌『NAVI』休刊の真相 - L-Cruise - 日経トレンディネット

その昔は、自動車そのものに価値があり、新車が出ること自体に価値があり、エンタテイメント化していた。ある意味、毎月新たなアイドルが誕生するようなものだ。80年代に松田聖子や中森明菜が次々とでたような黄金期だったのだ。
 
だが、今やクルマのアイドル価値、つまり見栄としての意味、ブランドしての意味は明らかに落ちた。だから、NAVIの休刊なのだ。物欲そのものが落ち、語ることがはばかれる時代の当然の選択。
 
だが、冷静に見てクルマが時代を語ることは全く変わっていない。今のミニバンブーム、軽自動車ブームは、ファッションでいうユニクロブームや発泡酒雑酒ブームと全く同じで、時代を反映している。クルマは相変わらず時代を映す鏡なのだ。
 
さらに自動車の文化価値は落ちたが、クォーツ時計全盛の中、機械式腕時計が不死鳥のごとく復活したように、一部高級車の憧れ、ブランド力は必ず再評価される。
 
だから今後、いい切り口が見つかればNAVIいや“NAVI的なもの”は復活しうると私は考えている。いつでも大衆は時代を面白く切り取り、見たいはずなのだ。

60年代から90年代初頭までは、「日本車は欧州車に追いつけるか」という、ある意味「発展途上国」的なテーマがありました。
もちろん現在でも欧州車が優れている部分はありますが、それは使用環境などで何を優先して開発するかに起因するもので、一概にどちらが優れていると断定できるものではないでしょう。

機械式腕時計や高級万年筆、ブランド物の洋服やバッグと同列に、ブランド高級車が持て囃されても別に構いませんが、そんなものを必要とするのはごく僅かの人です。 欧州だって、クラスによって持ち物のレベルは決まっていて、分不相応なモノを持っていると白い目で見られます。

日本人は「カネさえ持っていれば、ブランド物だって買える」と頑張ってきた訳ですが、今の若者は高級ブランドへの憧れは希薄になってきているようです。 それはとても健全なことだと思います。

もうクルマがエキサイティングだった時代は、日本では二度と戻ってこないんですよ。 インドや中国に行くしかないですね。


国内新車販売、500万台割れ…31年ぶり : 経済ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

軽自動車を除いた普通・小型車は9・1%減の292万1085台と、6年連続で前年を下回り、38年ぶりに300万台を割った。ピークの90年(約597万台)と比べ半減した。軽自動車の販売台数も前年比9・7%減の168万8170台と、3年連続で前年を割り込み、11年ぶりの低水準となった。

国内の新車販売が半減しているのですから、自動車雑誌の需要も同じくらい減っているのでしょう。 雑誌の数はもっと少なくてもいいハズです。 特に外車中心の雑誌なんか要らないと思うけどね。

つまり、自動車評論家も半分でいいということです。