「ペナルティーとしての円高」

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もうすぐ日は昇る 千波万波 - 毎日jp(毎日新聞)

武者さんは90年代の「異質な国・日本」は世界貿易システムに「ただ乗り」してきたため、そのペナルティー(懲罰)として、不当な「円高」を強いられた。それが「円高デフレ」を生み「失われた20年」につながった、と見るのだ。
 
しかし、今日の日本は異質性の代表である「高コスト構造」と「閉鎖性」を克服し、いわば普通の市場になっている。近年の円高は、もはや「ペナルティー」としての円高ではなく、単に日米の金利差が縮小したからに過ぎない。
 
いま、米国は超低金利からの「出口戦略」に動いている。日本はその状況にない。従って日米金利差は拡大し、購買力平価(1ドル=115円)とさほどかけ離れていない水準に落ち着いてくるだろう。つまり、「失われた20年」をもたらしたメカニズムが逆回転をはじめ、賃金水準の上昇・サービス価格のインフレを通じて経済成長率を高める、というシナリオを描く。
 
ペナルティーとしての円高というアイデアは「そう言われてみればそうか」と何となく納得するものがある。つまりは、トヨタが強すぎてトヨタ用の特別の円高が日本経済全部に適用され、日本中が苦しんだ、ということではないかしら。その呪縛が解けつつあるということ?

そう考えると、人民元が変動相場制に移行することは、おそらくあと20年くらいはないのだろうと想像できますね。
輸出・輸入双方にとってリーズナブルな円の為替水準は、1ドル100~105円程度ではないかしらん?