部下を育てない上司から、優秀な部下は去っていく

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部下を育てない組織はいずれ「泥舟」になる | 部課長の基本

社員はリーダーとの関わりを強く求めている。そのために上司がすべきことの一つは、毎週、社員がうまくやったことや改善の余地がある点について簡単に言葉を交わす時間をつくることだ。ざっくばらんな会話を続ければ、信頼関係が生まれ、社員は自分の強みや弱み、情熱や目標について率直に語ってくれるようになる。そうなれば、上司と部下が協力して、プランを立てることができる。
 
社員と能力開発について話し合う定期的な機会を設けることも必要だ。「上司はいつでも話を聴いてくれ、自分の能力開発を真剣に考えてくれていると信じていれば、部下がキャリアについての考えや研修のニーズを打ち明ける可能性が高くなる」とカバラロは言う。

春は面談の季節ですが、そういう機会に限らず普段から仕事ぶりを見ていることを示しておく必要がありますね。

一方でこんな意見もあります。

多くの上司は、ずば抜けた社員以外の部下も切り捨てることなく、能力開発を行おうとする。しかし、「人材管理を投資と考えるなら、ほとんどの時間と資源を優秀な部下に投資してしかるべきだ」と、シスコ・システムズで、グローバルのリーダーシップ育成を担当している上級マネジャー、リサ・カバラロは言う。「ほとんどの場合、最優秀社員こそが、最も高いリターンを生み出せるのだ」。
 
組織にとって、必ずしもすべての職務が重要というわけではないのだから、最も重要な職務を担う潜在能力のある人々に重点を置くべきなのだ。ただ、今、潜在能力が見えていなくとも、将来的に成長を見せる者がいるかもしれないことは念頭においておこう。

「最も重要な職務」にはエースを投入するのは当然ですが、それがエリートに美味しい仕事を廻すということなら同意出来ませんね。
退却戦の殿(しんがり)に投入しても、きちんと結果を出すのが真のエースでしょう。

最も優秀な部下を、人目を引くポジションやプロジェクトにストレッチアサインして、彼らが注目を浴びたり経験を積んだりする手助けをすることも大切だ。時期尚早かもしれないポジションにつけるというリスクをとらねばならないこともある。
 
ある大手テクノロジー企業の修理サービス担当副社長は、直属の部下が別の部署について不満を言うのを聞いて、その部下をプロセスと協働の問題に取り組む部署横断チームのリーダーに任命することにした。高業績をあげていたものの、チームプレーヤーとしては芳しい実績を残していなかった彼にとってはまさにストレッチアサインメントだった。幸いプロジェクトは大成功し、この経験によって彼は部署横断的なパートナーシップを築く能力を高め、キャリアに大いに役立っている。
 
万が一失敗した場合でも、部下を非難してはいけない。上司のなすべきことは、あくまで部下に手を差し伸べ、失敗の分析の手助けをして、失敗をも能力開発の機会に変えることだ。

「ストレッチ・アサインメント」という言葉は、以前にも出てきました。 自分が今やっている仕事なんか、まさしくそれです。 体もアタマも固いので、大変です。