日本で近い将来EVが幅広く普及するシナリオは描けない

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【日本版コラム】米電気自動車ベンチャーのテスラと提携するトヨタの真意(ウォール・ストリート・ジャーナル) - Yahoo!ニュース

「これからバッテリーの性能が向上するので、この問題は解決される。」という指摘がある。しかし、バッテリーの性能が現在の2、3倍になっても、EVの 使い勝手はやっとガソリン車並みにしかならない。もし、原油価格が1バレル200ドルになり、それが長期間続けば、消費者のガソリン車離れが進むだろうが、その時はEV製造に必要なレアメタルの価格も高騰しているはずである。
 
現在の車の使い方の延長線上で考えても、EVは消費者の支持を得ないのである。
 
結論として、EVを本格的に売りたいのであれは、車の使い方や街の構造といった社会システムの大幅な改革が可能な市場か、新しい物が好きな消費者層が分厚い市場に参入しなければならない。前者の例が中国で、後者が米国である。日本はその両方とも該当しない。
 
中国は石油消費を減らすために、ガソリン車をEVに大変換させる社会実験を開始すると思われる。米国には、EVをステータス・シンボルと考える層がいる し、「Low Speed Vehicle (LSV)」という、すぐにでもEVに置き換えできる市場がある。LSVとは、ゴルフカート型の電動カーで、最高時速40km程度しか出ない。主に金持ちコミュニティの近所での移動手段だが、米国の約半数の州で公道走行が認められている。ところが、日本国内で近い将来、EVが幅広く普及するシナリオは描きにくいのである。

ガソリン車の単純な代替ではEVは生かせないというのは、EV推進派も認めるところです。 社会インフラの転換はもとより、ユーザーの意識や使い方まで変えないとダメなんですが、家の電気代含めてタダにするとか、よっぽどインセンティブを付けないとムリでしょう。