ホンダの中国ストライキ:トヨタ生産方式が生んだ矛盾とは? 2010/06/05(土) 15:55:10 [サーチナ]
今回の十数日間にわたるストライキ事件の前半部で労働者、会社側、地方政府が続々と登場していたが、労働者の権利を最も守るべき労働組合はその姿を見せていなかった(この工場では労働組合が存在しているかどうかは不明点の一つ)。
中国では一定規模の企業には「工会」と呼ばれる組織を設けることが義務付けられている。本稿では「労働組合」と訳している。「工会」は中国共産党の傘下に作られた中華全国総工会に属する機関である。資本主義国の労働者の自発的組織である労働組合とは違い、中国の「労働組合」は実に政府の末端機関なのである。
共産党の指導のもとで動く社会団体であるともいえる中国の労働組合のスタッフの賃金や人事権などはすべて上級の労働組合総連合会と政府が決める。「一切を圧倒する穏定」を保持するということで、実は、政府傘下の労働組合が労働者の立場に立ち、労働者の権利を守ることは相当に難しい。
スト終盤の乱闘騒ぎは、組合関係者(?)とスト従業員の間で発生したようですが、これが「工会」なのかな?
この記事は示唆に富んでいます。 ホンダの幹部は読んだ方がいいでしょう。
顧客満足を求めるとともに、絶えずコストを削減していく、というのがリーン生産方式への一般的な理解である。ここでいうコスト削減は決して単なる人件費の抑制ではなく、「持続的改善」や「ムダ・ムリ・ムラ」の排除、「自働化」などの手段で進められるものである。しかし、日本で成功を収めたリーン生産方式を発展途上国の中国にそのまま導入しても成功しない。というのは中国人の国民性や価値観、教育背景、文化背景などは日本と大分違っているからだ。
リーン生産方式を実現するには、スキルや経験、改善意識、モチベーションなどの面で全社員の仕事に対する要求が高くなる。賃金の低い作業員に対する高い仕事の要求そのものは一種の「ムリ」ではないかと思う。長い目で見れば、作業員の定着率向上・レベルアップに不利な低賃金策は会社の発展を阻害するものとなる。
企業は最小限のコストで最大限の利益をあげること、このこと自体は間違っていない。利益の最大化と作業員の合理的収入との間でいかにバランスを取るかなどの問題を考慮に入れる一方、リーン生産方式の具体的やり方を中国の国情に合わせるように調整せねばならないと筆者は思う。
確かにもともと会社へのロイヤリティーが違うしね。
でも、現地従業員に求める仕事の要求は、日本を基準にしたらはるかに低いレベルですよ。 日本では期間従業員であろうが関係なしに、高いレベルの仕事が要求されますからね。