ホンダ伊東社長 「いまの社是は嫌い」

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ホンダ社長 伊東孝紳(いとう・たかのぶ)さん ホンダらしさ、開発に込めて - フロントランナーセレクション - ひと - [どらく]

――7代目の社長ですが、創業者の本田氏が退任してから入社した世代は初めてです。
 
皆さんは直接、本田から薫陶を受けていないと気にするかもしれませんが、自分は気にしていません。
 
創業を支えた本田と藤沢武夫が引退した後、2人の一族は経営を継承しませんでした。「会社は個人ではなく、従業員のものだ」と。その代わり、彼らは会社を永続させるため、一番大事な、さっき言った基本理念を残したんです。最近では、2月に発売した新型ハイブリッド車(HV)「インサイト」が、求めやすい価格と優れた燃費で好評を博しています。基本理念は、ずっと引き継がれています。(中略)
 
――自動車メーカーの主戦場が先進国から、中国やインドといった新興国になり、いかに安く車を作れるかが勝負になっています。
 
いまの社是の「質の高い商品を適正な価格で」という言葉は嫌いです。「良いものを安く」なはずです。日本でも、新車市場の4割が軽自動車になったということを、もう1回考えないといけません。「軽ではもうからないから、より大きな車に力を入れよう」という議論もあります。だが、待てよと。お客様は軽で我慢をするのでなく、むしろ軽がよい世界になってきたんです。

今の社是は、バブル後に川本社長が変えたんですよね。 トヨタは「良品廉価」と言ってますが、「安く、早く、低炭素で」というのがいま求められていることなんでしょう。