EPAの燃費ラベルに見る「リーフ」と「Volt」の違い - 日経Automotive Technology - Tech-On!
まず、燃費はEPAがMPG equivalent(マイル/ガロン相当)という表示を採用していますが、これは1マイル当たりの電力使用量をガソリンの量に置き換えた値です。リーフは99MPG equivalent(42km/L相当)となります。本来、リーフはEVですからガソリンは使いません。しかし、電気のエネルギ量をガソリンの量に換算して他のガソリン車と比較できるように表示しているのです。この計算式では1ガロンのガソリンが33.7kWhの電力と同様のエネルギ量を持つとしています。 (中略)
航続距離ですが、ここが最も注目かもしれません。EPAのラベルではリーフは73マイル(117km)と、メーカーの主張していた航続距離よりかなり短い値になっているからです。リーフの場合、日産はLA4モードではエアコンを使わずに160km、日本のJC08モードでは200km走行可能とします。 EPAの試験では、運転条件やエアコンの使用状況を変えながら、5サイクルのテストを実施し航続距離を求めていますが、これとは大きな開きがあるのです。実際にどちらが正しいのか、正確に見極める必要がありますが、結論から言うとEVは走行条件によって大きく航続距離が変わり、どちらも正しいということになります。
日産の米国のWebサイトでは、様々な条件における航続距離を示しており、航続距離は62~138マイル(100~222km)の間で変化するといいます。LA4と呼ばれる試験モードでは最高速が56.7マイル(91km/h)、平均速度が19.59マイル(31.5km/h)、外気温が華氏68~86 度(20~30℃)でエアコンなしなら100マイル(160km)走るとし、さらに38マイル(61km/h)の一定速で走った場合、138マイル(222km)に伸びるとします。半面、平均速度49マイル(79km/h)でエアコンを付けて華氏110度(43℃)の外気温で走った場合は68マイル(109km)に落ちてしまいます。最も航続距離が短いのは、華氏14度(-10℃)という低温においてエアコンでヒータを付けた場合です。平均速度15 マイル(24km/h)という低速で走ると、62マイル(100km)になります。
家庭の暖房での話ですが、最低気温が5℃以上の地域ならエアコンで暖房した方がいいけど、それ以下なら灯油の方が有利と聞いたことがあります。 実際に、北海道など寒冷地では灯油が主流です。
そう考えると、北海道でEVを売るのはちょっと大変かもしれませんね。