会社の本来の目的とは、開発者のために仕事を提供するなどという薄っぺらいものではなく、一人では与えることができないような大きな価値を社会に提供するためにあると思います。(中略)
また、人には際限なく成長を続けていく人間と、成長は止まるが一定のパフォーマンスを発揮し続ける人が居ます。実際の仕事ではそれらの人々が特定の訓練を重ね、チームとして纏(まと)まって初めて社会に大きな価値を送り込むことができます。
全員が専門の特殊技能を持ったスターチームではロクな仕事が出来ないのは、かなり実感として分かってきたことです。そういうスタープレーヤーがパフォーマンスを最大限に発揮するには、凡庸な作業部分や彼の専門外の仕事を誰かがサポートして片付けてあげる必要があります。そういう意味で、スタープレーヤーもまた一人では生きられないのです。
ということで、会社枠論のベースである『皆一人で生きていく実力を持ち合わせているべき』は、明らかに誤っていました。(中略)
人間は、社会に価値を与え続けているかどうかが重要です。
何か人に自慢できるような明確な偉業を遂げるだけが人生の成功ではありません。社内でとんでもない仕事の出来る人間が居たとして、その人の活躍に貢献できれば、それも素晴らしい仕事だと思います。
人間が群れで生きる意味とは、そういうことだと思っています。
どうしなければいけない、というルールはありません。ただ、誰もが社会にコミットして、価値を提供し続けなければならないと、それだけです。
うわー。 深いなぁ。
技術者出身だと、どうしても「自分のスキルで生きていく」というポリシーで他人も見てしまいますが、そうでない人だっているのは確かです。
生物多様性ではないですが、職場でのエコシステムを頭でっかちなイメージで弄ろうとしても失敗します。 気をつけなければ。