コデラノブログ4 : これからの日本の姿 - ライブドアブログ
今はベース電力を稼いでいた原発が止まっているので、そのぶんを火力発電をぶんまわして補おうとしている。しかしそうなると電力需要に応じた調整を行なうマージンが少なくなるので、需要の変動に対処できなくなる。いつも足りないわけではなく、電気を多く使う時間帯に耐えられないわけだ。
そこで考えられるのは、2つめの方策、電力利用の平坦化である。(中略)
さらに別の角度での対策として、蓄電技術の進化は必ず求められてくるだろう。つまり電力が余っている時に蓄電し、ピーク時には自動的に蓄電装置から供給する、という方法である。
現在水力発電のうち、揚水式と呼ばれるタイプはある意味巨大な蓄電装置だと言える。夜間に電力が余っている時にダムの上に水を引き上げ、昼間はこれを落として発電する。つまり余った電力を位置エネルギーに変換しているわけだ。ただし上にも下にも莫大な体積の水を貯めるスペースが必要になるので、環境負荷は大きい。
溜めて出すという過程での、揚水発電のエネルギー効率は70%程度だそうです。
他の蓄電技術としては、EV推進派がよく持ち出すこんな方法もあります。
もう少し大規模な蓄電としては、家庭内の利用において電気自動車の蓄電能力を活用するという方法もいいかもしれない。これもノートPC同じく余力があるときに充電し、ピーク時には逆に家庭に対して電源を供給するようなイメージである。
個人的には、EVそのものを家庭の蓄電池として利用するというのは、あまり現実的には思えません。 古くなったEV用電池の二次利用という意味ではあり得なくもないですが、電池の規格がバラバラなままではまずムリでしょう。
ここまでは大規模な蓄電技術がないという前提で考えてきたわけだが、仮に大規模な蓄電技術が開発されたならば、発電・送電設備側でクッションとして蓄電しておくという方法も考えられるだろう。ただこれは抜本的な解決にはならない。発電量が足りないということには違いないからである。
蓄電という方法は、割と受け身な作戦である。積極的に攻めてみるには、発電しなければならない。今後は小規模な発電技術の開発により、発電を各個人あるいは各家庭で分散するという方法も検討されていいだろう。
もうすっかり忘れてしまった人もいるだろうが、燃料電池はもうそろそろ実用化できるタイミングのはずだ。材料のエタノールは要するに酒のようなものなので、植物を原料とした発酵物であるため、石油など化石燃料と違って人が新たに製造することができる。PCの燃料電池化は近いとされているが、家電でも利用できるぐらいの規模の燃料電池も、開発を進めてもらいたい技術である。
家庭用燃料電池は、東京ガスなどが「エネファーム」として販売しています。
えっ、もうできちゃったのかSOFC、となると燃料電池車の運命やいかに - 日経Automotive Technology - Tech-On!
「10月だとお。本当に今年ですか」。耳を疑う発表だった。JX日鉱日石エネルギーが家庭用の燃料電池「エネファーム」にSOFC(固体酸化物型燃料電池)を使ったタイプを追加する。発表では触れていなかったが、セルは京セラ製だ。それが2011年10月の予定だという。SOFCの開発がここまで進んでいるとは…。恐るべし京セラ。 (中略)
SOFCは効率がPEFCより高い。10月に発売するSOFC仕様エネファームでも、発電効率は定格で45%と、PEFC仕様より10%高い。作動温度も高いので、高価な触媒がなくても反応が進む。家庭用の燃料電池は電気だけでなく熱も利用する「コージェネレーション」というやつなので、お湯を貯めておくタンクがあるのだが、お湯の温度がPEFC仕様より10℃高い75℃になる。その分タンクが小さくて済む。タンクだけでなく貯湯ユニットとしての比較だが、36%小さい。
ちょっと前に読んだ記事ですが、その時は「ふーん」という印象でした。 だって、エネファームって高い(270万円)んだもん。
家庭用燃料電池は、天然ガスを改質して水素を取り出して発電します。 だったらいっそのこと太陽電池や夜間の電力で水を電気分解して水素を蓄えて発電すれば、余計な改質器も不要になりますしコストダウンできそうです。 ガス会社は困ると思いますが。
Honda、家庭用 次世代ソーラー水素ステーションの実証実験開始
2001年よりロスアンゼルスセンターで稼働してきた従来型のソーラー水素ステーションは、高圧水素の製造のために、水電解装置および水素圧縮コンプレッサーが必要だった。一方、次世代ソーラー水素ステーションは、Hondaの独自技術である高圧水電解システムにより水素の製造と圧縮を一体化することで、コンプレッサーが不要となり、小型・低騒音・低コスト化を実現し、家庭用水素供給装置としての可能性を広げた。また、従来に比べ水素製造システム効率も25%※向上している。
これにより、8時間で約0.5kgの水素が供給され、燃料電池電気自動車「FCXクラリティ」が30マイル(約50km)走行できる。
また、今回の実証実験では、水素を貯蔵する高圧水素タンクを用いないシステムを採用。システム全体をさらに小型化することで、家庭に導入しやすいサイズとしている。なお、今回のシステムに従来同様に高圧水素タンクを組み合わせることで、将来的に家庭だけでなく様々な環境や用途への幅広い対応が可能となる。
燃料電池を家庭における蓄電・発電装置として普及させれば、電力のピークカットにかなりの効果があるように思います。
ただ、水を電気分解して酸素と水素を取り出すエネルギー効率は57~75%程度とも聞きます。 それで得た水素を燃料電池で電気に変える効率は70%くらいなので、トータルのエネルギー効率は50%程度しかないことになります。 揚水発電の足元にも及びませんね。
このあたりは、触媒技術の進化が必要なようです。