【池原照雄の単眼複眼】変則の夏、基幹産業の躍動が始まった | レスポンス (ビジネス、企業動向のニュース)
自工会のまとめによると、東電、東北電管内で休日振替を導入したのは自工会会員メーカーや関連会社など43社。これらの企業の昨夏のピーク電力を、合成需要という算出方式で積み上げると64万8000kWに達する。最新の大型原子力発電プラントの半分に相当する規模だ。
東電だけでも5000万kW以上の供給能力に対して、これを多いとみるか少ないとみるかは微妙なところです。
ただ、自動車メーカー各社は「自動車生産を許してもらうには節電するしかない」と思っているのでしょう。
こうした平日のピーク抑制のみならず、工場の操業時間変更による削減への取り組みも始まっている。日産自動車は、東電管内に立地する追浜工場(神奈川県)と栃木工場で、連続2直の時間変更に踏み切った。
通常は早番が午前6時半から午後3時、遅番が午後4時から翌日午前0時半となっているのを早番では始業を1時間早め、逆に遅番は始業を1時間遅らせている。これにより、1日のうちで電力需要が最も高まる午後2時から午後5時までの間はラインを止め、東電管内のピーク抑制に協力している。
元々、ビトゥイーンタイム(保全や残業のための時間)が1時間挟んであったんですね。 それに時間変更の2時間を足して、3時間の停止時間を作ったのか。
ただ、溶接や塗装などロボットの多いラインは、完全に電源を落とすと立ち上げるのがまた大変ですし、トラブルの元にもなります。 現場は大変でしょう。
ホンダは埼玉製作所狭山工場で、変則的な3直を導入した。「生産を挽回するとともに、15%のピークカットを図る」(広報部)苦肉の策だ。狭山工場は『CR-V』や『フィット』など4車種を流す第1ラインと、『ステップワゴン』や『フリード』などミニバンを中心に6車種を流す第2ラインがある。
このうち第1ラインは通常の連続2直(勤務時間は2直合わせて6時半~23時半)で操業し、第2ラインの方は23時20分から6時40分の深夜操業のみを行うようにしている。従業員は3班に分かれ、第1・第2ライン合計で3直という変則シフトを1週間ごとにローテーションしながら従事する。
例えば今週が第1ラインの早番だと、翌週はその遅番、翌々週は第2ラインの深夜という順番になる。これにより、動いているのは常に1ラインのみとしてピーク需要を抑え込んでいる。狭山の生産は震災後から日産900台程度に落ち込んでいたものの、変則3直を導入した今月からは同1400台と約6割の増産を実現している。
こうした操業時間の変更や休日シフトは、保育所の確保や通勤バスの増発、あるいは「深夜手当の負担」(ホンダ)などコスト増につながる。それ以上に、暑い盛りの勤務時間や休日の変更は従業員に負担をかける。電力ピーク抑制への協力や、自分たちがつくるクルマを待っている顧客のためにという使命感が現場を担う人々を支える。
深夜手当は割増率高いですからね。 通常は一部の行程だけしか行いません。
ラインまるごと3勤で動かすと、手当とはいえバカにならない額だと思います。