スズキ「コバンザメ戦略」の蹉跌 VW提携は敗着手?

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Car Watch 「フォルクスワーゲンの力を借りないほうが、スズキのためになる」

19.89%の出資比率ではフォルクスワーゲンの技術を得られないことについて、原山副社長は「フォルクスワーゲングループ内の、技術情報へのアクセス等のルールがある。我々の求めているものを得るために、19.89%の比率で十分技術の情報にアクセスし活用できると合意に至ったので提携したが、残念ながら結果として、こうしたマイナーな出資比率では、情報へのアクセスと活用その他には著しく制限があった。我々が責任を持って環境車を開発して市場へ供給していくことは、ほぼできないだろうという現実に直面した。そうしたことについて、トップレベルを含め改善を求めたが、結果としてそれぞれ協力していく現場においては実現しなかった」と、フォルクスワーゲン内のルールが理由だったとしている。
 
さらに、「株を提供するのと引き換えに、得るはずだったものが得られないということは、かなり早い段階で明らかになったが、スズキとしては提携した以上、パートナーとしてさらなる協力の緒を見つけようと努力した。しかし結果として、単に我々が得ようとしていたような技術面のメリットが得られないというだけでなく、情報交換をしただけで、お互いに機密保持協定を結んだ間でありながら、スズキのさまざまな行動に制約をかけるということが、合意を超えて起りかねないことが生じ始めた。このまま進むと利益が得られないだけでなく、スズキの発展に足かせになると判断した」と説明。

これまでGMなどと提携してきて、経験はあったと思うんですが、そこまで縛りが強いとは思わなかったのでしょうね。

スズキとしては「騙された」という想いなんでしょうが、株を買ってくれておまけに技術まで使わせてくれるなんて、そんなオイシイ話はないでしょう。 GMはそうだったかもしれませんが、それは「我々は世界No.1」という自負心からの太っ腹です。

スズキの発表に先立つ9月11日(独時間)、フォルクスワーゲンは、スズキがフィアットからディーゼルエンジンを調達することが、提携の契約違反であると発表した。
 
これについてはフォルクスワーゲンの1.6リッターディーゼルエンジンが採用できない理由があり、これについて2011年1月に、フォルクスワーゲンのヴィンターコルン会長に話をしていたと言う。「わたしどもから技術的な問題があると申し上げた。前方排気と後方排気の問題、ロードクリアランスが低すぎる問題があった。技術的な問題もあるので、ディーゼルはほかで調達すると、ヴィンターコルン会長に申し上げた。ヴィンターコルン会長は、それなら文書で連絡してくれと言ったので、文書で連絡した」。
 
また、フォルクスワーゲンの技術を導入したクルマはOEM供給できなくなるという問題もあった。「(スズキの生産台数の)10%はOEMで売り上げているという実績があるので、これをやられるとOEMができなくなり、大きな影響があるのでやめるとを決心した」。
 
原山副社長は「スズキが必要としているものをフォルクスワーゲンが供給できないという事実を含め、契約違反という指摘はまったく間違っていると思っている。実はこれ以外にも、今年になって別の件でスズキが契約違反だと指摘してきている。これも我々からすれば全く根拠が無いと反論している」と主張。
 
「契約したとき、技術的な移転が得られるなど、契約の中に規定されていた。我々からすれば、我々のほうから契約違反と指摘したいことが多々ある。しかしながら、我々が互いに独立したイコールパートナーとして提携した以上、独立国同士で他の国に対して“お前は条約違反だ”というような言葉を使うのは宣戦布告のようなやりとりなので、我々はパートナーとして今日まで、契約違反という言葉をフォルクスワーゲンについては使ってこなかった。私たちは友好に提携していく以上、もともと根拠のない契約違反という言葉にも反発があるが、同じパートナーに対して契約違反という最後通告のようなことをしながら、友好に協議を進めることはできないと何度も言ってきたが、それについての反応はなかった」。
 
鈴木会長は「解決済みの問題と理解していたが、なぜこれが今頃になって包括契約違反だと言われるのか、実際に聞いてみたい。不思議に思っている。非常に心外」と述べた。

鷹揚なGMと違って、VWは蛇のようですから易々と株を手放してはくれないでしょう。

スズキにとって深刻なのは、助けてくれるホワイトナイトが見つけ難いことです。
トヨタは同じ三河の企業で、スズキがVW傘下になるのは防ぎたいですが、ダイハツを抱えていますので助けることができません。 ホンダは論外です。
ルノー日産はあり得なくないですが、NMVKがありますからね。
フィアットはクライスラーでまだお金が掛かるので、それどころじゃないでしょう。 プジョー、BMW、ダイムラー、どれもVWと正面から戦ってまでスズキを助ける理由がありません。

寄らば大樹の陰というか、他人の褌で相撲を取ろうとした鈴木修会長の判断の誤りだと思います。
早く引退した方が良かったのでは?