「増税前に行財政改革」は「国民におもねった先送りの発想」か?

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「増税よりも国のムダをなくすのが先じゃないの?」:日経ビジネスオンライン

--「増税の前に無駄使いの削減などやるべきことがある」という意見が広がっています。歳出削減の努力が足りないとの指摘にはどう答えますか。
 
五十嵐:増税はイヤという国民の心情におもねった先送りの発想ですね。逆に、どこまで削減したら増税していいんですか? それで、どのぐらいの財源が出てくるんですか?と、お聞きしたいです。
 
歳出削減という点では、これまでも「事業仕分け」なども活用しながら非効率な予算にメスを入れています。独立行政法人も法人数で約4割弱を削減しますし、国家公務員給与の約7.8%削減など「身を切る改革」にも取り組んでいます。

こういう「リストラクション」と単なる「コストカット」の区別もつかないようなのが財務副大臣をやっているというところが、民主党がダメな理由なんですよ。

増税の前に議員や公務員をリストラする方が先ではないですか?:日経ビジネスオンライン

――外資系コンサルティング会社アクセンチュアのピエール・ナンテルムCEO(最高経営責任者)にインタビューしたところ、カナダなどの例を挙げ財政再建では歳出削減で3分の2、増税で3分の1実施するのがベンチマークだと指摘していました。日本は歳出削減がもっと必要ではないですか。
 
森信:アルベルト・アレシナとロベルト・ペロッティという学者は、先進諸国の財政と経済を分析し、成功した国は歳出削減が7割、増税が3割という実証研究の成果を公表しています。ナナサンの法則、とも呼ばれています。わが国の歳出削減が遅れていることは、以下のことからもわかります。
 
自民党政権時代と民主党政権時代の予算規模を平均的に比べると、民主党になってから歳出規模は10兆円程度拡大しています。一番膨張しているのが社会保障関係費で、7兆円以上増加しています。2.5兆円は、基礎年金の国庫負担割合の引き上げのためですが、残りは社会保障費の自然増を野放しにしたためです。自民党時代は、これを厳しく抑制してきたのですが、民主党政権下では甘くなりました。

何度も書いていますが、個人的には消費増税はやむを得ないだろうし、税率も最終的には20%近くに行くのかもしれない。

でもそれには小手先ではなく国を作りなおすくらいの覚悟でやってほしいというのが、国民の願いではないかな?(特に年金問題でね) だから前回の総選挙で政権交代が起きたんですよ。

小沢グループの造反に理あり 理念を掲げて総選挙を実施せよ|DOL特別レポート|ダイヤモンド・オンライン

国民が知りたいのは、今後、ますます労働力人口が減り、高齢人口が増える中で、現状の社会保障制度のままでよいのか、それとも抜本的な改革が必要なのか、それぞれの場合に、長期的な負担と受給の関係はどうなるのかということだ。結局、その道筋は示されることなく、消費増税だけが先行されようとしている。しかも消費税の使途が社会保障に限定されたために、社会保障が赤字だから、大切な社会保障を維持するために、という理由でいくらでも増税が可能になりかねない道を切り開いてしまった。
 
社会保障と税のあり方は、国のかたちでもある。自己責任を重視し、格差を受け入れるのか。格差を小さくするために、再配分を重視する社会を目指すのか。まずは、その理念が求められる。理念が明確にならなければ、4つのキーワードを組み合わせて政策を練り上げることができない。

それに増税が正しい施策であったとしても、「増税しません」といって得た過半数の議席で増税法案を通すというのは間違ったやり方です。

消費増税法案採決で野田・小沢両陣営を翻弄? 反対票を投じた鳩山氏の意外な影響|田中秀征 政権ウォッチ|ダイヤモンド・オンライン

今回の政局で鳩山氏はきわめて重大な2つの証言をした。
 
1つは、前回の総選挙で消費税増税はしないと公約しているということ。だから、野田首相は公約とは「真逆のことをしている」と断言した。
 
政権交代時のリーダーだけに野田首相は反論も弁明できない。
 
また、昨年の代表選挙のときには、野田首相は消費税増税について約束しなかったとも言った。首相は代表選挙で約束したと言っているがどうなのか。
 
かつて日本の政治史に、これほどまで明確な重大公約違反があっただろうか。私は知らない。

大義を主張するなら、正しい手続きで正しい施策を行うべきです。 目的が正しければどんな手段をとっても正当化できる訳ではありません。