「シーマ復活」をささえた日産の「つくる喜び」

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これならいける!日産「シーマ復活」秘話 つくる喜び…開発者らの情熱 (フジサンケイ ビジネスアイ) - Yahoo!ニュース

さらに、高級車としての造り込みにも取り組んだ。そこには、製造を担当する栃木工場(栃木県上三川町)が「想定以上の力を発揮」(長谷川さん)した。もともと「こうしたい、ああしたい」という要望を持つ開発に対し、生産部門は「生産効率を落とすことはできない」と、相反するのが新車開発の常だった。だが、栃木工場はその過酷さよりも「再び、日産のシーマをつくれるようになる喜び」(黒澤良二工場長)が何よりも優先した。苦労を厭わず、開発の要求に次々と応えていった。
 
特に塗装では、塗装の下塗りと上塗りの間に、手作業で塗膜の平滑性をあげる「水研ぎ」という工程で、艶のある塗装を開発チームが提案し、工場も了承した。そして工場側の熱意に技術陣は驚く。製造ラインのレールからシーマを外し、水研ぎを40分もやるというのだ。それも高度な技術を持つ技能者「匠(たくみ)」を1台当たり2人も張り付けるというものだ。
 
さらに、静粛性を保つための吸音材のはめ込みなども通常では取り組めないような精度の高さで工場が取り組んでいった。検査工程もトータル4時間かけて、外装、内装、走行時の静粛性などを検査し、匠の資格を持つ検査員が張り付いて担当するなど、最高品質を生産現場の人の手によって追求した。この熱い心に支えられた高い品質は早くもシーマファンの心をとらえた。受注は発売1カ月で1000台と、年間販売目標の半分に達した。5代目シーマは、日産を象徴するフラッグシップとして新たな歴史を刻み始めた。

工場が強くなりすぎると、やれ「作りづらい」だとか自分たちの都合を優先して、商品性は二の次になってしまいがちです(もちろん無駄に作りづらくてコストアップすることで、商品性が落ちたりもするんですが)。

今の日産は単に業績が好調なだけではなくて、良いサイクルが回っていますね。 高級車の国内販売から撤退する会社とは大違いです。