自民総裁選:谷垣氏が出馬断念「執行部から2人良くない」- 毎日jp(毎日新聞)
自民党の谷垣禎一総裁(67)は10日午前、党本部で緊急の記者会見を開き、党総裁選(14日告示、26日投開票)について「執行部から2人出るのは良くないと考えて決断した」と出馬断念を表明した。谷垣氏は7、8両日、石原伸晃幹事長(55)との一本化へ向け4回にわたり協議したが決裂。執行部系候補の共倒れを懸念する大島理森副総裁がなお調整を続けていた。(中略)
谷垣氏は「脱派閥・脱長老支配」を掲げて出馬を強行する構えをみせていたが、このまま出馬しても支持拡大を図るのは難しいとの判断に追い込まれた。
現職総裁が総裁選出馬に意欲を示しながら断念するのは、1995年の河野洋平総裁(後に衆院議長)以来。河野氏は谷垣氏と同じ旧宮沢派の系列で、野党時代の総裁に就任し、首相になれないまま退任した。自民党総裁で首相になれなかったのは河野、谷垣両氏だけだ。
厳しいようですが、権力闘争ができない人間が首相になろうなんて、どだいムリな話なんですよ。
河野氏は2年間、谷垣氏は3年間にわたった総裁時代、党内各層の議員と親しく懇談したとの話は聞かない。「味方をつくる努力をあまりにも怠っていた」との評は、2人に共通する。ベテランだけでなく、派閥に属しない中堅・若手からも「谷垣氏をなんとしても支持する」との声は聞こえてこなかった。「人柄がよいプリンス」と党の外ではみられていても「実績があるから支持されて当然」との慢心が、党内では反発を買ったといえる。(中略)
だが野党とはいえ、自民党総裁の交代は政界全体に影響を与える。
参院選の不振が原因だった河野氏から橋本氏への交代は、今度は参院選で自民党を下した新進党で小沢一郎党首を誕生させ、「小沢党首」は橋本内閣につながった。今回の民主党代表選では野田佳彦首相の再選が濃厚だが、3党合意を交わした相手である谷垣氏の不戦敗による退場は、ただでさえ弱体化している野田政権の基盤に影響を与えるのは間違いない。
そうそう。 野田首相は、自分の代表再選を優先して解散を先延ばしにしました。 その結果、消費増税法案可決の「盟友」たるべき谷垣を見殺しにしたことになりますね。
朝日新聞デジタル:自民・谷垣氏は苦境に 7日解散を要求したが不発
谷垣氏に近い自民党ベテラン議員は最近、野田首相に「記者会見では谷垣氏について触れるように」と迫った。首相が政治生命をかけた消費増税法成立に協力した谷垣氏のため、再選の追い風になるメッセージを出すよう働きかけたのだ。
民主党代表選に知名度の高い細野豪志環境相を擁立する動きが本格化すると、谷垣氏周辺は「細野氏が勝つ。首相は衆院を解散して勝負に出るしかない」と手応えをつかむ。谷垣氏側は首相に「事ここに至っては衆院解散を決断すべきではないか」と、7日に衆院を解散するよう持ちかけた。
谷垣氏は立候補表明をする会見時間を、首相会見の1時間後に設定。だが、首相は「他党の党首選について言うのはどうか」とメッセージを送ることを拒み、電撃解散にも踏み切らなかった。
首相に迫った自民党ベテラン議員は7日になって「調整はダメになった」とぼやいた。衆院解散について「やるべきことをやり抜いた後、しかるべき時に国民の信を問う」としか触れなかった首相の会見内容に、谷垣氏周辺は「話にならない」と切り捨てた。
あんな「近いうちに」なんていう口約束を信じるなんて、どこまでお人好しだったかということです。
野田佳彦首相は8日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の会場内で記者団に対し、日露首脳会談で「12月訪露」を表明したことについて「選挙とか解散の時期を意識した話ではない。政局と結びつけて外交はやっていない」と説明した。しかし、「年内の衆院解散見送り」を示唆したとの観測が与野党に広がり、首相から「近いうちに解散」の約束を勝ち取った実績をアピールする自民党の谷垣禎一総裁へのダメージも予想される。
自民党総裁選で石原伸晃幹事長を支持する若手議員は「首相は解散する気はない。こんなバカにされた話はない。『谷垣さん、代われ』となる」と谷垣氏を批判した。
当然そうなるよね。
首相「代表選後も3党合意尊重」、他候補は早期解散に慎重 | Reuters
野田首相は、自民党の谷垣禎一総裁がこの日、同党の総裁選挙への立候補を見送ったことについて「驚いている」とした上で、一体改革をめぐる3党合意は重たいとし、「民主代表選・自民総裁選の後も3党合意は尊重しながら、残された検討課題にさらに知恵をしぼるべきだ」との考えを示した。(中略)
また、近いうちに信を問うとした解散時期について首相は「近いうちにはそれ以上でもそれ以下でもない。解散時期は明示してはいけない」と述べた。
お主もワルよのう。