仕事では「起承転結」はマイナスでしかない

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

第9回 「起承転結」型の文章、しゃべり方はマイナスでしかない:日経ビジネスオンライン

「日本の保険市場は飽和しつつあり、我々としても新しい販売チャネルの開発はなんとしてもやり遂げないといけないことです。そのなかでも、既存のチャネル以外の、新たなパートナーとの提携は最重要課題になっています。顧客のニーズに焦点をあてた新規チャネルの開発には資源を投入してきています。ただ、日本の場合は監督官庁の規制がとても厳しく、公共料金に上乗せした形での保険販売は過去に事例がありません。ですから、このやり方は日本では非常に難しいと思われます。」
 
この答え方は、外国人に対して非常に不誠実な印象を与えます。まず、質問が基本的にYES・NOクエスチョンなのに、それに答えていないから、「こいつはおれの話を聞いていたのか?」という顔になります。

誤解を与えないように、丁寧に説明しようと思うほど、相手に伝わらないというのは悲劇ですね。

じゃあどんな風に言えばいいんでしょうか?

外国人の思考回路に従って答えを作るとすると、例えば以下のようなものになるでしょう。
 
「このやり方を日本で実現するために、二つの大きな障害を取り除く必要があります。公共企業の場合は多くの規制が加えられているので、保険の販売が公共の利益にどう合致するのかをきちんと説明できるようにすることが、まずとても重要です。また、個々の顧客の購入の意思確認をどう担保するかについて、高いレベルの要求水準を満たす必要があります。これらを満たすための、パートナー、監督官庁、世論への働きかけにかかるコストを抑える方法を見いだすことに、現在全精力を費やしています。」
 
最初に論点について、条件付きのYesの答えをしています。そして、その論拠を二つの面から示しています。その上で次のステップを含めてまとめ上げています。

うーん。 「結論が先」とかいう以前に、伝えたい見通しが日本的思考=ネガティブ、外国人的思考=ポジティブで、かなり違うように思います。

日本人は出来ない理由を並べたがることが多く、外国人はビジネスチャンス(機会)に焦点を当てて喋るという違いが大きいですね。