日産、ホンダの「本丸」北米を攻める

日産自、オバマ氏再選の米で挑むホンダ攻略 :記者の目 :企業 :マーケット :日本経済新聞

中国問題と下方修正の陰に隠れてしまったが、今回の日産自の決算にはある“異変”があった。7~9月期の純利益は前年同期比8%増の1060億円。売上高純利益率は4.4%とホンダの3.6%を上回った。リーマン・ショックが起きた08年7~9月期から数えた全17四半期の日産自とホンダの利益率を比べると、実にホンダの13勝4敗。震災影響の差で各社の収益がばらついた昨年を除くと、日産自がホンダを上回ったのは初めてだ。営業利益率も6.9%とホンダの4.4%を上回った。
 
なぜ異例の逆転劇が起きたのか。これを地域別営業損益から探ると、大きな要因となったのが北米だったことが分かる。7~9月期の日産自の北米利益は595億円とホンダの2倍以上。ホンダは新型への切り替えを控えていた旗艦車種「アコード」を売り切るための販売奨励金(インセンティブ)がかさんだことなどで利益水準を落とした。(中略)
 
今期の日産自とホンダの収益には比較されやすい因縁がある。期初に掲げた予想売上高は口裏を合わせたように両社とも10兆3000億円。上期を終えての下方修正後の予想売上高はホンダの9兆8000億円に対し、日産自は9兆8150億円。丸めた数字を使うことが多い業績予想にあえて上乗せしたように見える150億円に、ホンダへのライバル心を感じずにはいられない。一方、純利益ではホンダが3750億円、日産自は3200億円となお開きがある。ホンダは主に中国の自動車事業の利益を営業外に計上しているためだ。この差を日産自が詰めるにはトップラインの売上高を伸ばすしかない。中国リスクが浮上したいま北米市場の重要度は以前より高まっている。

「オバマ再選」は関係ないと思うけど、いま販売が堅調なのは北米と東南アジアくらいですからね。

単年で一喜一憂してもしかたないですが、現代自やスバルの攻勢や保守的な新型車開発で、ホンダが昔のようなプレゼンスを維持できていない北米市場はまさに攻め時ではあります。