本日、追加で発注していたオペアンプが届きました。 ギリギリ春節前に出荷してくれていました。
これでOP627、AD797共に2セットになりましたので、DAC7標準のOPA2604と差し替えて試聴出来るようになりました。
でもアンプのほうが落ち着かないので、しばらくはお預けですね。
ところで、部品取り用として入手していたジャンクの『YS1』ことLM3886搭載アンプですが、流用する前にトランスが正常かどうか確認しておきたいと思います。
ソニーのアンプ(もちろん無改造)で燃えた経験があるので、故障したアンプって怖いんですよね。
前の持ち主は「電源は入る」と言ってましたし、ヒューズも切れてなかったので、電源ケーブルを接続するのはまず大丈夫でしょう。
OFFの状態でスイッチに来ている電圧を測ってみます。
105.7Vでした。 ちなみにエコウィルは発電していません。
いよいよ意を決して、電源スイッチを押してみます。
基板上の赤色LEDが点灯し、しばらくしてかすかな「カチッ」という音と共に緑色のLEDが点きました。
しばらく凝視しましたが、特に異臭もしませんし何も起こりません。
基板への電源ラインの電圧を測定してみます。
22.85Vでした。 トランスがAC115V時にAC25Vの出力なら、105.7Vの入力で23Vの出力になります。
LM3886 DCアンプキットの推奨トランスもそんなもんだったので、そのまま流用できそうですね。
トランスが無事と確認できたので目的は達成したんですが、ところでこのアンプ、本当に音が出ないんでしょうかね?
さすがにメインの S-77 TWINやテレビの D-M37を繋ぐ勇気はありません。
寝室からMDミニコンポのスピーカーを片方持って来ました。 音源はスマホです。
コードはスピーカーから直に生えており、アンプ側は専用のコネクタになっていましたが、コンタクトを引きぬいてアンプのスピーカー端子に接続します。 まずはL側から。
アンプの電源を入れて、スマホで音楽を再生してから、ボリュームを少しずつ上げていくと... ちゃんと音が出るじゃないですか!! 特に不安定とかノイズが乗るとか、そんな素振りもありません。
とりあえず電源を切って、今度はR側に繋ぎ変えます。 たしかこちら側の抵抗が汚れていたんですよね。
再び電源を入れてボリュームを上げると、鳴りますよ。 「何か問題でも?」と言いたげに。
身構えて損したな。 オレの「緊張」を返してほしい。
じゃあってんでSA-80と入れ替えて、メインのシステムで鳴らしてみます。
SA-80も大きいですが、『YS1』はもうひと回り大きいです。 でも重量はトランス2個内蔵のSA-80が勝ります。
接続が終わり、電源を入れてPCで再生を始めると、やはり何事も無く音が出ます。
しかし... 「音、わるー」
もうずっとデジタルアンプばかり聴いてきたからだと思うのですが、「アナログアンプってこんなんだっけ?」という感じです。 正直、中身を見ていなければ、真空管でも入ってるんじゃないかと思うくらいです。
ただボーカルが全面にグッと出てくる感じで、エネルギーは感じますね。
なんだかウルフルズの曲が聴きたくなったので、掛けていたらソファーで眠ってしまいました。
1時間半ほど寝て目が覚めると、「あれっ? ちょっと良くなった?」
少し音がクリアになり、音の分離も良くなりました。 こうなると欲が出て、1時間の散歩の間もつけっぱなしで外出(あれほど用心していたのに、そんなに信用していいのかとも思いますが)しましたが、すっかり本調子を取り戻したようです。
それからしばらくサウンドチェックに使う曲を聴きまくりました。
「こんな音が入っていたんだ」と新たな発見があるようなアンプではありませんね。 1音1音を分析的に聴くのではなく、音楽として聴けるように上手にまとめてくれる、それがアナログアンプのいいところなのかもしれません。
ただ聴きやすいだけに、ちょっと刺激が足りないというか自分には物足りないです。
結局、5時間くらい聴いて SA-80に戻しました。 まだエージングが終わってないしね。
こうやって聴き比べると、SA-80はボーカル帯域の音圧が全く不足しています。 音のクオリティは高いのに、もったいないですね。
イコライザで修正するべきなんでしょうが、それは最後の手段です。
『YS1』が「動の気」だとしたらSA-80は「静の気」ですが、まだ「気の開放」が終わってない感じ、といえば分かりやすいかな(どこが?)。
死体置き場から蘇った『YS1』ですが、動くのであれば部品取りにするのは止めにします。 「壊れていないものを修理してはいけない」といいますし。
LM3886 DCアンプのケースはまた別に考えましょう。
それにしても、前の持ち主さんはなんで音が出なくなったんでしょうね? 本当に不思議です。