円安で輸出企業は濡れ手に粟?

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結局のところ円安による恩恵はほとんどありません:日経ビジネスオンライン

一方で、国内での生産コストは為替変動によって変わらないとします。1ドル=80円の時に売上高営業利益率が5%だった場合、コストは95%に相当する金額のままですが、売り上げは25%増加して80円だった時の125%になりますから、単純に計算すると、(125-95)÷125×100=24(%)で、売上高営業利益率は突然5%から24%に膨らむことになる。これはもう、濡れ手に粟も同然と言っても過言ではありません。
 
一方、輸入企業はどうか。海外からの材料費が25%高くなり、厳しい状況に追い込まれています。通常、材料費は売り上げの66%程度を占めていますから、それが25%高くなるということは、価格がそのままであれば、売り上げに対する材料費の割合は82.5%まで膨らみ、16.5ポイントも負担が増す。
 
売上高営業利益率が5%だった場合、コストは材料費の負担増がそのまま反映されて、売り上げの95%から111.5%にまで上昇する。5%の黒字から11.5%の赤字に転落してしまうわけです。こうなると、コストの削減にも限界があるので、利益を出すために値上げをせざるを得ないでしょう。

輸入企業もこれまで円高で儲けたハズですが、そこには触れないのですね。

リーマン・ショック後の記録的な円高の状況で、輸出企業は韓国勢などにシェアを奪われつつも必死に戦ってきた訳です。
それをたかだか100円/$いかないレベルに戻っただけで「濡れ手に粟」と言われては立つ瀬がないですよ。