ホンダ、14年度の四輪車世界販売計画を469万台に下方修正 | レスポンス
ホンダの岩村哲夫副社長は10月28日、都内にある本社で開いた決算会見で、日本や中国などの販売が当初見込みを下回っているとして、2014年度の四輪車の全世界販売台数を当初計画の490万台から469万台に下方修正したことを明らかにした。
岩村副社長は「全世界で当初490万台の販売(小売りベース)をする計画だったが、21万台の修正を行っている。このうち10万台が日本国内、10万台が中国、それと1万台強がインドネシア」と述べた。
インドネシアはあんだけ売れてても下方修正って、どれだけ計画が高かったかという話ですね。
で、言い訳ですが、
国内販売を下方修正については「今回、複数回にわたるリコールの結果、今仕込んでいるニューモデルの総点検を行った。今仕込んでいるニューモデルについてはすべてゴーということになったが、この総点検による遅れが発生した。モデルによっては6か月近く遅れてしまったものもある」と説明。
さらに「国内は当初103万台の販売を計画していたが、ニューモデルの投入が遅れることによって販売機会がずれてしまってマイナスになった。さらにニューモデルを使った来店誘因がなかなかできなくなってしまった。これによる影響が8万台くらい。残りが消費税増税による反動が当初見込みよりちょっと長引いていることや、ニューモデルの投入が遅れることを受けて軽自動車で少し挽回しようと思い、いろいろな施策を打ってきたが、軽の市場が非常に激戦化していて、なかなか挽回するのが難しかったとい事実があって10万台の下方修正にいたった」と話した。
今後の新型車投入スケジュールに関しては「(今年度)国内に6モデルの投入を計画していたが、年内に3モデルを投入する。これを皮切りに来年も続々と新車種を入れるということで、年度でいうとプラス2~3ということで6モデル投入するということはほぼ実現できるとみている」との見通しを示した。
いや、新型車を短期間で矢継ぎ早に投入されても、販売店は困ると思うのですよ。 おそらくレジェンドなんかはどうせ売れないので放ったらかしになるでしょう。
ホンダ決算、大きかった“早く、安く”方針の代償 | レスポンス
ただ、そのリコールの根っこは、伊東孝紳社長が09年に掲げた「良いものを早く、安く、そして低炭素でお届けする」という方針にあると言っていいだろう。なにしろ開発現場が新製品の投入を急ぐあまりに、検証が不十分なままに販売してしまったからだ。その端的な例が『フィット』だ。なんと約1年のうちに5回もリコールしている。もちろん、こんなことは前代未聞の出来事。この結果、「お客様の来店が弱くなった」(岩村副社長)と悪循環が続いている。
また、営業利益率についても、前年同期の6.2%から6.0%と悪化している。しかし、これは二輪事業などを含めた数字で、四輪事業だけだと3.8%だ。同業他社の決算がこれからのため何とも言えないが、おそらく最低レベルに違いない。このように、“早く、安く”方針の代償は大きかったようだ。
「桁違い品質」の看板を下ろして「良い物を、安く早く低炭素で」に変えた辺りから変調が起きたのは間違いないですね。
伊東社長だけが悪い訳ではないけれど、ご本人がLPL時代から功罪半ば(NSXのアルミボディは○、縦置き5気筒エンジンは☓)すると評価されてきた人なので、こういう結末はある程度予想出来たように思います。
フィットの不具合連発を招いたホンダの内情 | 自動車 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
ホンダ車の商品企画などは原則として、本社所在地からホンダ社内や自動車業界関係者の間で、「青山」と呼ばれる本田技研工業の部門でまとめられるが、技術的な開発作業は本田技術研究所、通称「研究所」が受け持つ。本社の商品企画などを基に1台のクルマを仕立てるのは研究所の仕事だ。
そして研究所は、1台のクルマの開発が終わると、その設計図面を青山に引き渡す。研究所の仕事はそこで終わり。あとは青山が、図面通りのクルマを生産し、販売する。
トヨタや日産自動車、マツダなど日本の他のメーカーを見ると、企画、調達、開発、生産、販売はそんなふうには分かれていない。たとえば開発部門は、実際に量産が立ち上がるまで生産性を高め、不具合を見直し、より高い品質を得るために最後まで生産部門と一体となって擦り合わせを行ない、クルマのブラッシュアップを続けるのが一般的だ。
「ホンダの内情」と書いてる割には表面的なこと(研究所が別会社)だけを取り上げているように見えますね。 そんな「図面描いたから、その通り作ってね。あとはよろしく」みたいな訳がないでしょう。
仏に魂を入れるのは工場(製作所)側の技術スタッフであって、初期の図面から意志入れするのが当たり前です。
個人的に不幸だったと思うのは、自前主義から転換して導入したモーター内蔵DCTという初めての新機構を積んだFIT3が、鈴鹿で立ち上げて2ヶ月後には寄居に移管するというスケジュールで生産準備を行ったことではないかと思います。
本来は経験豊かな鈴鹿が不具合抽出をしっかり出来ればよかったのでしょうが、すぐに居なくなってしまうFIT3よりも当時バカ売れしていたNシリーズへ注力したのではないかと邪推してしまいます。 鈴鹿自体が軽専用工場への転換を進めていた時期でもありましたし。
一方で寄居は、設備トラブルで工場の立ち上げが遅れてて、新型車の作り込みまで手が回らなかったでしょう。 狭山から寄居に移ったのも若手中心だったので、技術スタッフも経験不足が否めなかったのではないかと思います。
どちらにせよユーザーにとってはそんな話はどうでもいい訳ですがね。
ホンダ、海外生産の一部を国内に回帰検討 (ロイター) - Yahoo!ニュース BUSINESS
同社はここ数年、世界の生産体制の拡充を進めてきた。「仕込みにメドがついた」(ホンダ関係者)と見て、相互補完体制の強化に乗り出す。この一環として「現在、日本からの輸出はほとんどなくなったが、10─20%を戻す考え」(ホンダ幹部)だという。工場の新設などは想定しておらず、稼働率の向上で対応する構えだ。
ホンダ関係者によれば、各地域で得意とする車種を、他の地域のニーズに応じて輸出することを想定しているという。また、ある幹部によれば、小型車「フィット」を米国に輸出しているメキシコでの生産キャパシティが不足した場合、日本からも補完的にフィットを米国に輸出できるような体制にすることも考え得るという。「(地域ごとに融通する)台数をフレキシブルに変える」構想だという。
国内生産100万台維持 → 国内販売100万台 → 円高回避で輸出ゼロを推し進めてきた訳ですが、為替の潮目が変わったのはもう2年近く前のことです。
本来、為替タフネスというのは円高でも円安でもどちらに転んでも対応出来るフレキシブルな体制だったはずなんですが、ひたすら輸出ゼロに邁進した挙句に円安で差損を出したりしてきた訳ですが、ようやく方針転換のようです。
ホンダの良い所は「朝令暮改」だったハズなんですが、最近は方針を決めた「エラい人」が居なくなるのを待って先祖返りというパターンが多いですね。 正しいことを言う人が減って、上司の顔色ばかり伺っているようじゃ先がないですよ。