消費増税前には安い間に買っておこうという駆け込み需要が発生し、増税後は駆け込みで購入された分だけものが売れなくなるという反動減が起こる(図の三角形の部分)。
これが非常に大きいので目を奪われがちだが、増税分だけ販売価格が上がっているので同じ1万円で買える商品の量が減るという効果がある。駆け込みと反動減が無くても、経済成長には増税時に道路の段差のような一時的な落ち込みはどうしても起きてしまう。
増税の反動減で売り上げが減少したという説明が良くみられるが、駆け込みの反動減と増税による直接の影響が混同されている。駆け込みの反動減は時間が経てば無くなるが、増税によって値上がりした効果は消滅しない。消費が元に戻るためには所得が増える必要がある。
駆け込みの反動減と増税の直接効果を混同した議論が、少し時間が経てば何もしなくても経済が元に戻るかのような楽観論を生んだ。駆け込み需要の影響は時間とともに薄れるものの、増税そのものの影響は残ることをもっと明確にしておくことが必要だった(*1)。
面白いですね。
確かに、100gで100円の物が増税で103円になったとしたら、消費行動の選択肢としては
1.今までどおり100g買って103円払う
2.97g買って100円払う
3.100gで100円の安い代替品を買う
のどれかになるんでしょう。
官僚とか政治家は当然1.だろうと思っているんですが、消費者からすると収入は変わらないのに支出が増えるなんて許容できません。 なので2.か3.になります。
2.だと消費量が減るので、経済活動としてはマイナスですね。 3.は安い理由(増税分を吸収するとか、製品のコストダウンとか)によりますが、デフレ方向の動きになります。
経済成長&インフレと増税・財政再建を同時に達成するのはやはり無理がある、という当たり前の教訓ですね。