リスクの高い土地に住むということ

自然災害が大変だというなら、リスクの高いところは自然に返せばいいんじゃないか: やまもといちろうBLOG(ブログ)

そして東日本大震災もそうですが、被災地はもちろん悲惨ですし同じ日本人として心が痛む出来事ですが、すでに若い人たちが地域を離れ、猛烈な衰退を目の前にして復興財源突っ込んだところで回復し切らない状態になっているのも事実だと思います。
 
なので、もちろん政府の責任として災害に直面した日本人同胞に対する救済は可能な限り行うにしても、財源は限られており、人口も減っていく状況の中で、投下した復興や再開発に見合う国富がきちんと回収できるのかと考えたときに、やはり一定の歯止めはかけなければならないという議論が起きるのは仕方のないことだと考えるわけです。
 
いっそのこと、リスクの高い過疎地域においては開発やインフラ・設備の維持をやめ、人の手を加えず自然に返して土地を国が買い上げるなどの仕組みを考えないことには、生産性の低い地域に資金をどかどかと投じ続ける結果になってしまいます。かつては、過疎地域における公共事業において箱モノ批判がありましたが、もはや少子化で地域の人口を維持できないところは速やかに都市に住民を寄せ、市民サービスの効率化を図り低下を防ぐ方法を考えるべきではないのでしょうか。

過疎っているところはそれでいいとして、問題は広島の事例のように「リスクが高い都市近郊」のような気もします。 首都圏でも湾岸とか海抜0m地帯とか。

液状化訴訟で住民敗訴「予測は困難」 千葉・浦安:朝日新聞デジタル

東日本大震災による土地の液状化で自宅が被害を受けた千葉県浦安市の住民36人が、宅地を開発・分譲した三井不動産(東京都中央区)と系列会社に計約8億4250万円の損害賠償を求めた集団訴訟の判決が8日、東京地裁であった。松本利幸裁判長は「東日本大震災のような地震が起きて液状化が発生すると予測するのは困難だった」として、住民の請求を退けた。住民側の少なくとも一部は控訴する方針。
 
問題となったのは同市入船の宅地。判決によると、同社がもともと埋め立て地だったこの土地を開発し、1981年以降、70戸の分譲地として販売した。だが、震災による土地の液状化で住宅が傾き、地面が陥没したほか、給水管やガス管が壊れる被害が出た。

むしろ「埋立地で液状化が起こるなんて当たり前だし、田んぼに家建てて住むようなもの。 埋立地を承知で利便性の高いところに住んでいるのだから、災害が起こっても文句言うな」という気がしなくもないです。

震災液状化訴訟:「道路1本挟んで被害」どうして違いが - 毎日新聞

「道路1本挟んだだけで、どうして被害に違いがあるのか」。震災直後に浮かんだ疑問が提訴に参加した理由だった。タウンハウスの敷地を走る道路は波打ち、あちこちに数十センチの段差が生じた。転倒する人が続出し、駐車場も傾いた。傾きは3年半以上たっても戻っていない。だが、約2キロ先に広がる東京ディズニーランドはもちろん、周辺の他の住宅群でもこうした被害はあまり見られない。
 
32年前、約4000万円の自宅を20年ローンで購入した。販売元の三井不動産から液状化のリスクなどの説明はなかった。地震による液状化現象で約30センチの傾きができ、テーブルに置いた小皿からしょうゆがこぼれた。吐き気や頭痛に襲われることもあり、約4カ月後、自費で沈下修正工事を迫られた。
 
タウンハウスは今月からようやく、埋設された雨水管や汚水管などの補修工事が始まった。来年2月に完了予定だが、総工費は1億数千万円に上るとみられ、積み立てた管理費は底をつく見通しだ。

埋立地といっても何で埋めているか分からないし、均一ではないのでしょう。 お金を掛けて地盤改良をすれば防げたかもしれませんが、その分だけ分譲価格も上がって4000万円では買えなかったかもしれません。
被害に遭われた方にはお気の毒としか言い様がないけどね。

検証ルポ 液状化の街・浦安住民から訴えられた三井不動産の「責任」  | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]

住宅ジャーナリストの榊淳司氏は、原告側の訴状を見ながら三井不動産の対応のマズさを指摘する。
 
「三井側が住民に応対したのは、訴状を読む限り2回だけ。これでは住民が納得できるはずがない。1mの深さからゴミがボロボロ出てくるというのも、三井側に相当不利です。1mという深さはどのような工法でも基礎工事の段階で気づくはずです。建物がいくら立派でも、基礎のゴミを処理せずに建物を建てるなど、建築の常識として有り得ません」
 
確かに前田氏も、この裁判で訴えたいのは「三井の不誠実さだ」と憤る。
 
「ゴミの上に建てられた家で暮らしていたとは夢にも思いませんでした。この裁判は、カネや勝ち負けではなく、三井の不誠実な態度を告発したいだけなんです」

夢の島はゴミの埋立地」というのは40年前の地方の小学生でも常識でした。 なので、埋立地を少し掘ったらゴミが出てきたというのも不思議じゃないと思うんですが。

まあ結局は三井不動産がもうちょっと誠意を見せれば済んだ話なんでしょうけど。