「ベースロード電源」はもう時代遅れ

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時代遅れの「ベースロード電源」 | 河野太郎

これまで日本のエネルギー基本計画は、やたらと原子力発電の想定を多く見込んでは、未達に終わり、結果的に石油火力や石炭火力を多く使って、燃料費の高騰や温暖化ガスの排出量の増加を招いてきた。
 
今回も、エネ庁は、福島第二原発まで稼働させる前提で議論している。まるで福島の事故などなかったかのようだ。
 
そもそも「ベースロード電源」という考え方そのものが20世紀型の時代遅れの考えだ。
 
最近では、太陽光発電や風力発電、原子力発電のように需要に応じて出力を変えられない電源と需要に合わせて出力を変えられる電源に分けて考えるのが世界の潮流だ。
 
そう考えると、ベースロードというのは、太陽光発電、風力発電や原子力発電のようなものをさし、それに対して出力を変えられる調整電源というものがあると言うべきだ。

まったくですな。

法制度・規制:原子力に頼るエネルギーミックスの不確実性、2030年の電力の構図は描けない - スマートジャパン

一方で原子力を再生可能エネルギーで代替することには消極的である。特に導入量が大きい太陽光と風力は天候の影響を受けることから、火力と組み合わせる必要性を主張する。ヨーロッパで進んでいる緻密な需給調整による再生可能エネルギーの利用拡大策は想定していない。
 
その結果、太陽光と風力に合わせて火力を維持する必要があるために、エネルギーミックスで重視する自給率とCO2排出量がともに改善できなくなる(図4)。リスクのある原子力でも、火力や再生可能エネルギーよりも優先させるほうが国益にかなうと考えているわけだ。(中略)
 
逆に排出係数が大幅に上昇しているのは、石油の比率が高くてLNG(液化天然ガス)の比率が低い電力会社だ。北海道電力と四国電力が顕著で、関西電力と九州電力も石油の比率が2倍以上に増えてCO2排出係数は1.5倍以上になった。石油が少なくてLNGが多い中部電力では、震災後に8%しか排出係数は上がっていない。自給率とCO2排出量の両面から原子力を再稼働させるならば、その前に石油火力の全廃を決めるべきである。

個人的には経産省および電力ムラの論理で押し通せるような状況ではないと思うので、妥当なところに落ち着くと期待しているんですけどね。