木村:「MERS」や「セウォル号」も同じことです。昔から、韓国で大型事故はしょっちゅうありました。でも韓国人は「先進国になれば、こういう事故はなくなる」と考えていた。
ところが1人当たりGDPなど、データ的には先進国になったのに「後進国型事故」はなくならない。そしてこうした事故をなくすにはどうしたらいいのか、処方箋が見当たらないのです。
--なぜ、見当たらないのでしょうか。
鈴置:産業的な追い上げは比較的簡単です。先進国の技術を買うなり盗むなりすればいい。形があるものは真似しやすい。
でも、事故防止の要は「1人1人が決められたルールをきちんと守る」という、人間の心構えであって、形がないのです。
だから問題の所在は分かっても、簡単に処方箋が書けない。メディアは、MERSに罹っているかもしれないから自宅に籠れと言われたのに気楽に外出する人々を報じつつ、韓国人の社会性のなさを嘆きます。でも、韓国人をすぐさま変えられるわけではないのです。
俗に「民度」と云いますが、なかなか変われないものですよね。 日本人も同じですが。
そういえば先日も「天才少女詐称事件」がありましたね。
過剰な教育熱が生んだ嘘?~米国で起こった韓国人天才少女事件:日経ビジネスオンライン
ワシントンポスト紙は、韓国中を騒がせた天才少女事件について、成功に対する親の過度の期待が生んだスキャンダルと分析した。受験生たちにとっては、名門大学に入れたかどうかが成功のバロメーターになる。大学入試に失敗するとプライドに大きな傷がつく。特に在米韓国人は子供の教育のために移民を選んだ人が多い。子供を米国の名門大学に進学させるために母親と子供だけ米国で暮らし、父親は韓国で十年以上も仕送りを続ける家庭もたくさんある(関連記事「受験競争に勝つため友情はいらない?」)。(中略)
天才少女の嘘も、まさに競争に負けたことを認めるのが怖くて始まった妄想のように見える。韓国内では少子化の影響で一人っ子が多く、「成功しないといけない」と子供に圧力をかける親も多い。そのために、子供に全財産を投資することもやぶさかではない。就職難も重なり、名門大学に進学しなければならないという意識がますます高まっている事情もある。教育部(部は省)の調査によると、家計消費額が減る一方で、教育費は増え続ける傾向にある。
過剰な競争をやめさせるべく、入試ばかり重視する教育を変えるべきという声が韓国内で大きくなっている。これを受けて、7月21日から「人性教育振興法」という新しい法律が施行される。これは健全な人間性を持つ国民を育成して国家と社会の発展に寄与することを目的に、小中高校に人間性教育を義務付ける法律である。韓国の国会は「世界で初めて韓国が人間性教育を法律で定めた」と宣伝した。
成熟した社会を持つ国ではあまり考えられない法律ですが、こうでもしないとダメなんでしょうね。
元の記事に戻りますが、面白いのが以下のくだり。
でもふと気づくと、自分たちが考えているほどには、世界の国々が韓国の意見に耳を傾けてくれるようには思えない。その不満を具体的に並べると、次のように整理できるかもしれません。
・米議会での安倍演説に我が国があれほど反対したというのに、米国は許したうえ、盛大な拍手で歓迎した。米国が日本の方を重視しているのは明らかだ。
・頼りにしていた中国も、いつの間にか平気で日本と首脳会談を行うようになった。ひょっとすると中国もまた、本音では我が国より日本を重視しているのかもしれない。
・ユネスコは日本の産業遺産を世界遺産に登録しかけている。遺産の施設の一部では朝鮮人労働者も強制労働させられていた、と我々は主張したのだが、それが真剣に受け止められたようには思えない。
・ユネスコの上部組織、国連の事務総長は我が韓国から出ている。なのに、よりによって「歴史」を扱う国連機関が日本の肩を持つとは理不尽極まる。
・「MERS」で首脳会談をドタキャンしても米国からはほとんど反応がなかった。我が国の大統領がわざわざ訪米してオバマ大統領に会うのだから「慰安婦」をはじめとする歴史認識問題で、少しはリップサービスしてくれるつもりかもしれない、と期待していたのに。この問題に米国はあまり関心がないようだ。
・あるいは逆に、韓米間で懸案になっている終末高高度防衛ミサイル(THAAD=サード)配備問題で、オバマ大統領が韓国に怒りをぶつけるかもしれない、と考えていたのに、この問題に拘っている様子でもない。我が国がこれほど悩んだ問題を、米国は真面目に考えていない。
日本など他国からしたら「そんなの当たり前じゃん」と思うのですが、本当にこんな風に考えているんでしょうね。 自意識過剰にもほどがあるというか。
そんな韓国ですが、最近は妙に大人しくて気持ちが悪いですね。
--「相当の進展があった」のですか?
木村:それは今の段階では分かりません。日本政府が求めているのは「最終的な決着の保証」、つまり両国が何らかの合意に達した場合、それを最終的な決着にすると韓国政府が保証することです。でも、国内に強力な運動団体を抱える韓国政府がのむのは難しいでしょう。
鈴置:日本政府は韓国政府がのめないことを見越して「最終決着の保証」を要求しているのではないかと思います。韓国政府が何かを保証しても、反日・卑日が必要になれば、またへ理屈をこねて蒸し返す可能性が高い。その時、脇の甘さを笑われるのは日本ですから、交渉テクニック的にもハードルを目いっぱい上げる必要があります。
木村:ともあれ、韓国が癒和的な姿勢を見せる背景には、国際社会を意識した「誠実ゲーム」で巻き返す意図が、ある程度あると思います。基本的には「熟年離婚」状態なのですから「万一、裁判になった時にも、自らの意見が第三者に認められる」備えも重要だからです。
日本人はお人好しだから、ダマされる人も多いような気がします。
木村:中国大陸の王朝が変わっても、朝鮮半島の人々は民族としてのまとまりを維持してきました。もちろん日本人が想像できないほどの、つらい目にも遭いました。でも、大陸で多くの国や民族が消滅する中、状況の変化に適応し、とにかく生き残ったのです。
今の米中間の右往左往など歴史的に見れば、彼らにとって大問題ではないのでしょう。どうせ米韓同盟だって、未来永劫に続くものではないのですから。
鈴置:思考停止状態にある以上、韓国は国家としての大方針など持ちようがありません。そこで中国に脅されれば言うことを聞く、米国から少し冷たくされれば怒って米大使襲撃事件を起こす――といった、その場しのぎの行動に終始するのです。
日本との関係改善を望むかのような最近の姿勢も「右往左往」の一環に過ぎません。冷静に眺めることが肝要かと思います。
やっぱり「無視」するのが一番のような気がしてきました。