明石康氏「戦後日本の平和主義に微調整は必要」

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【明石 康】「最近の集団的自衛権の論争は観念的」:日経ビジネスオンライン

私自身、日本国憲法と国連憲章の基本的理念は一致しているという信念があります。そのため矛盾もあまり感じなかったし、戦後日本の平和主義は、基本的に正しいと感じてきました。
 
しかしながら、戦後日本の平和主義がそのままでよいかといえば、そうではなくて、微調整は必要であると思います。憲法の前文や第9条第2項「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とか、「国の交戦権は、これを認めない」というのは、「アジアのスイスになりたい」と夢見た頃の日本の考え。理想主義にやや傾いている。
 
それに気づいて、日本は警察予備隊からさらに自衛隊に切り替えましたが、こうした現実に対する調整を、私は正しかったと思うのです。国連憲章でも国連平和維持活動(PKO)は明記していませんが、国連第6章と7章の間に相当すると考えて、世界で活動しています。
 
つまり、国連憲章や日本国憲法の精神は大事だし、守らなきゃいけないけど、現実は時々刻々と変わるものです。具体的な条文がなくても、「国民を守る」とか「平和を守る」という理想は正しいので、その上で行動するのは当然のことです。

安保法制に反対派も賛成派も物言いが極端過ぎるよね。 明石氏のようにもうちょっと理性的に議論ができないものだろうか。