集団的自衛権を行使しないのは国際的には非常識だ|高橋洋一の俗論を撃つ!|ダイヤモンド・オンライン
そこで書いたのは、自衛権を「個別的」「集団的」と分け、「個別的」はいいが「集団的」はダメとするロジックは国際社会で笑いものということ、国際常識としては、自衛権がどこの国でも刑法にある「正当防衛」とのアナロジーで語られていて、言葉としてはともに同じ(self-defense)ということ、さらに、日本の第9条のような規定を持っている憲法は、世界では珍しくなく、そうした国では集団的自衛権の行使は当然の前提であること、だ。(中略)
前掲の表を見るだけでも、海外からすれば、日本が集団的自衛権の行使は事実上既に行っていると思われても仕方ない。実際、米軍に日本国内の基地を提供している。同盟関係で、集団的自衛権の行使はしないというこれまでの議論は日本の国内向けであり、国際的にはまったく無意味だ。これを外国人に話しても“日本はアメリカ軍が攻撃されても見殺すのか、そんなはずはない、そうしたウソを言って相手を油断させたいだけだろう”と言われるのが関の山だ。
中国や韓国が「日本は機をみて再び侵略してくる」と考えているのは、単なる被害妄想ではなくて「平和憲法があるから軍隊は持てない」と言いつつ世界第9位の軍事力を持つように、本音と建前を使い分けているからなんでしょうね。
サーチナ|「日本の順位がでたらめだ」と中国ネット民・・・米発表の世界軍事力ランキングに、「そんなはずない」と異議連発!=中国版ツイッター
日本については「日本が第9位というのはでたらめだな」、「米国のメディアがまた煙幕だ。なんだって? 日本が第9位だって?」などの書き込みがある。中国のインターネットでは、日中両国の軍事力比較で「中国は日本を圧倒している」といった“勇ましい声”がみられることも珍しくない。しかし、多くの人が心の中で「日本の軍事力は脅威だ」と感じていることが、「日本の順位はもっと上のはず」との見方につながったと考えられる。
それはさておき、元の記事に戻ると、
日本に米軍が存在しているのは、国民はみんな知っているが、実は国連軍もいる。米軍の横田基地に、国連軍後方司令部(United Nations Command-Rear)があり、日本は、オーストラリア、カナダ、フランス、ニュージーランド、フィリピン、タイ、トルコ、アメリカ、イギリスの8ヵ国と国連軍地位協定(日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定)を締結している。米軍の横田基地には、日本とアメリカの国旗とともに、国連旗が立っている。
在日米軍基地のうちキャンプ座間、横田空軍基地、横須賀海軍基地、佐世保海軍基地、嘉手納空軍基地、ホワイト・ビーチ地区、普天間海兵隊基地が国連軍施設に指定されている。
国連軍司令部の方は韓国にある。こうした国連軍の体制は、1953年7月に朝鮮戦争が休戦となり、休戦協定が発効した翌54年2月以来である。朝鮮戦争は今でも休戦状態であり、終戦ではない。
これだけ国連にビルトインされている日本が、国連憲章で認め、日米安全保障条約でも明記されている集団的自衛権の権利を保持するだけで、行使しないという論法は、国際社会で通用するはずがない。
内輪の言葉遊びで騒いでないで、本質的な議論をしてほしいものです。
むしろ歴史を振り返ると、集団的自衛権は多数国の判断で行使することが多いが、個別的自衛権は一国のみで判断して行使するので、より危険であるとされている。このため、戦後、西ドイツは個別的自衛権が認められずに、NATOの下での集団的自衛権しか認められなかった歴史がある。
面白いね。