航続距離280kmの新型「リーフ」、秘密はバッテリーにあり

電気自動車:航続距離280kmを実現した日産「リーフ」、新型バッテリーの中身に迫る - スマートジャパン

新開発の容量30kWhのリチウムイオン電池パックは、従来より容量が25%増加している。しかし電池パックの大きさは従来と同じとしており、これにより車室や荷室の広さを損なうことなく航続距離の向上を実現している(図2)。
 
日産は「東京モーターショー 2015」で、新型リーフに搭載した新開発の電池モジュールのカットモデルを展示していた(図3・4)。サイズはそのままに容量を30kWhまでアップできた秘密の1つは、電池モジュールを構成する電池セルの改良だ。新開発のリチウムイオン電池パックでは、電極材料を改良し、従来と同じ入出力密度を維持しながらエネルギー密度を高めている。
 
リチウムイオン電池パックを構成するセル数は192個のままだ。しかし従来モデルは電池セル4個から成る電池モジュールを48個接続していたが、電池モジュールを構成する電池セルの数を8個に変更し、電池モジュール数は24個に半減している(図5)。電極材料やこうした電池パックの構成を見直すことで、容量24kWhと同じサイズで容量を30kWhにアップしている。

セル当りの電力密度を上げるだけでは25%アップは難しかったのでしょう。 モジュール数を減らした方が(配線やモジュールケースに取られる)デッドスペースが減るので、実質的な電池容積を増やすことができますね。

ところで電池サプライヤーについて言及しないのはなぜだろう? 従来の24kWh車はNECと日産の合弁のオートモーティブエナジーサプライ株式会社でしたが、30kWh車の電池はLGケム製ではないのかな?

日産、EVバッテリーの生産縮小を検討 | ロイター | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

日産・仏ルノー連合の関係筋2人によると、計画では、米国と英国での電池生産が段階的に終了となり、日本国内の工場で次世代電池の生産が規模を縮小して続けられる。
 
日産はまた、ルノーと同様に、今後発売される一部のモデルで韓国のLGケム<051910.KS>から価格が安いバッテリーの供給を受ける可能性がある。
 
1人の幹部は匿名を条件に、「われわれはバッテリー製造でリーダーとなることを目指したが、実際は考えていたよりも競争力がなかった」と述べた。「価格と性能の両面から言えば、われわれはLGに6カ月から1年の後れを取っている」とした。

2014年09月16日の記事ですが、その後どうなったのでしょうね?

日産のリチウムイオン電池がLGケムに負けた理由 : 海外メディアの自動車情報

現在、日産製補修用バッテリーの納入価格は$270/Kwhだが、実際の生産コストは$300/kWhをうわまわると見られている。これは、LGのリチウムイオン電池より15-20%コストが高いことになる。日産のリチウム電池はリチウム・マンガン系化合物(LMO)だが、次世代電池ではLGと同じようなリチウム・ニッケル・マンガン・コバルト正極(NMC)に変更するらしい。その場合のコストは内製でも調達しても$200/kWhが可能となるようだ。

LGケムのバッテリーもラミネート型なので、調達先の変更はそれほど難しくはなさそうですが。