JA44エンジンの考察で、「日本のカブエンジンだけガラパゴス化しつつある」と書きました。
本当に海外ではJA44と同じエンジンを持つバイクは販売されていないのでしょうか?
調べてみたら1つだけありました。 それが表題のオーストラリアの郵政カブ(C110X)です。
「えっ、C110Xって日本の新型クロスカブ110じゃないの?」と思ったあなたは鋭い! でもクロスカブではありません。
ね? レッグシールドもあるし(前かごはないけど)荷台は大きいし、姿形は郵政カブ(カブプロ)でしょ?
シリンダーヘッド(#1)にはちゃんと冷却フィンがあります。
Rクランクケースカバー(#1)のオイルフィルター(#6)もJA44と同じです。
オイルポンプ(#3)はクランクシャフトから直接駆動されます。
面白いところでは、スターターモーターASSY(#3)だけでなく内部の部品まで明示されていること。 ブラシセット(#4)だけ買うことも出来ますね。 海外でできるのなら、日本でもバラ売りすればいいのに。 モノタロウで売ってますが。
そしてこのバイクが「郵政カブ」である証がこちら。
オーストラリアといえば、永くCT110を販売していた国ですね。 日本にも逆輸入されていました。
さて、(現時点で)なぜオーストラリアの郵政カブだけがJA44と同じエンジンを積んでいるのでしょうか?
それを解くヒントは車台番号にあります。 「JH2JA45U*JK000001~」となってますね。
「JH2」は製造事業者コードで、本田技研工業株式会社を表しています。 つまり熊本製作所で製造して、日本からオーストラリアへ輸出しているのですね。 日本のスーパーカブと同じエンジンを積んでいるのも道理です。
ちなみにタイのASHなら「MLH」、マレーシアのBSHは「PMK」、インドネシアのアストラホンダは「MH1」、ベトナムホンダは「RLH」になります(参考リンク)。
事業者コードの次は「JA45」とありますね。 JA45といえば... 新型クロスカブ110のことではないですか!
そう。 「オーストラリアの郵政カブ」とは、郵政カブの格好をしたクロスカブなのです。
その証拠にホイール/タイヤはクロスカプ110と同じ17インチです。
日本では郵政カブもプレスカブも14インチと相場が決まっています。 ホイールダンパー(#1)も普通のカブとプレス/郵政カブでは異なります。
オーストラリアでは小回り性よりも直進安定性が重要なんでしょうね。
日本でも「17インチホイールのプレスカブが欲しい」という人がいるかもしれませんね。