友人Hの LY125Fiのエンジンと、自分の Unicornのエンジンは違う系統のようです。
では Unicornのエンジンはどこから来たのでしょうか?
ホンダの小排気量(250ccまで)縦型単気筒エンジンといえば、以下の 2つの系譜が有名です。
CB90~ape100系
1970年01月14日 CB90発売
2002年02月14日 エイプ100(BC-HC07)発売
2005年02月14日 XR100モタード(BC-HD13)発売
SL125S~CB223S系
1970年 9月19日 ベンリイSL125S/CB125S発売
1973年 1月29日 バイアルスTL125発売
1997年 3月28日 SL230(MD33)発売
2000年09月07日 FTR(BA-MC34)発売
2002年04月09日 XL230(BA-MC36)発売
2005年03月14日 XR230(BA-MD36)発売
2008年03月21日 CB223S(JBK-MC40)発売
一方、海外向けには CG125という大ベストセラーバイクの系譜があります。
CG125系
1975年 3月 タイでCG125発売
様々な国で現地生産された CG125ですが、早くから一大生産地となったのがブラジルでした。
ブラジルでは1976年11月4日からCG125の製造を始めた[53][54]。
(中略)
CG125には九つの世代があり、1983年からが第二世代[56]、1989年からが第三世代[57]、1994年からが第四世代[58]、2000年からが第五世代[59]、2004年からが第六世代[60]、2009年からが第七世代[61]、2013年からが第八世代[62]、2015年からが第九世代である[63]。
第一世代では、1981年に市販自動二輪車として世界で初めてエタノール混合燃料に対応する機種を発売した[64]。
第二世代では、1983年に電装が12Vに換装され、1985年に5段変速機を採用する機種が発売された[56]。
第三世代では、1991年にエンジンの大改良が施され、キャパシター・ディスチャージド・イグニッション(英: Capacitor discharge ignition・CDI)を採用する機種も発売された[65]。
第四世代はCG125 Titanとして発売され、セルフ式始動装置やディスク式前輪制動装置を搭載する機種も登場した[58]。2000年から再開された欧州への輸出には、この世代が用いられた[58]。
2004年に発売されたCG150 Titanは第六世代に含められるが、OHCエンジンを搭載するなど全く別の車種である[66][67]。
第七世代でCG125もOHCエンジンに換装され、第一世代から見つめると、ほぼ別の車種となった[68]。
第九世代途中の2016年に電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)を採用するも[69]、2018年12月21日にはCG125の製造ラインは閉鎖され、販売終了が発表された[70]。
ブラジルでは CG125の生産は終了したようですが、この CG150 Titanというのが気になりますね。
一方、アジアでも中国で(コピー製品も含めて)CG125の生産が盛んで、今も生産は続いています。
CG125のコピー車を作っていた新大州と組んで合弁会社(新大州本田)を設立したのは有名な話です。
本田技研工業は、1975年の発売以来CG125には七つの世代があるとし、
五羊-本田摩托(広州)有限公司(中: 五羊-本田摩托(广州)有限公司)[注 8]が、1990年代に新発売したものを第四世代、
2002年に発売したものを第五世代、
2008年に発売した摩托車汚染物排放限値及測量方法(中国第三階段)(中: 摩托车污染物排放限值及测量方法(中国第三阶段))対応車(WH125-3[77])を第六世代、
2019年に発売した電子制御燃料噴射装置を搭載する摩托車汚染物排放限値及測量方法(中国第四階段)(中: 摩托车污染物排放限值及测量方法(中国第四阶段))対応車(WH125-19A)を第七世代としている[22][78][79]。
一時、OHCエンジンを搭載した五羊-本田摩托(広州)有限公司の劲CG(WH125-10)[80]及び新大洲本田摩托有限公司[注 7]のCG125(SDH125-7D及びSDH125-7E[81])を販売したが[82]、市場の支持は得られなかった[83]。
(中略)
2022年3月に五羊-本田摩托(広州)有限公司は、発売30周年を記念し[85]、CG125 Special(WH125-19B)を発売した[86]。1972年のCB100K1の北米仕様の塗色を模している[86][22]。
友人HのLY125Fi(WH125-20)は OHCエンジンの CG125系なんでしょう。
ちなみに LY125Fiにはキックスターターがないですが、CG125が PGM-FI化されたときに廃止されたらしいです。
さて本題の Unicornのエンジンですが、英語版Wikipediaの Unicornのページに以下の記述があります。
The Honda Unicorn is a motorcycle developed by Honda Motorcycle & Scooter India (HMSI) and introduced in 2004.[3] It was internally called the CBF150M. The engine was taken from the CRF150F post 2005 engine. The previous version of CRF150F was the old CBZ classic. The design of the bike was done keeping in mind Indian road conditions. Many new features were incorporated, including a two-way air jacket and a diamond frame. The first version of the bike featured spoke wheels and kick start with an optional self-starter.[4][5]
機械翻訳すると
「ホンダユニコーンは、ホンダモーターサイクル&スクーターインディア(HMSI)によって開発され、2004年に導入されたオートバイです。[3] 内部的にはCBF150Mと呼ばれていました。
エンジンはCRF150Fポスト2005エンジンから取られました。 CRF150Fの以前のバージョンは、古いCBZのクラシックでした。」
2004年に発売された初代 Unicornは 150ccエンジンだったんですね。
でも「エンジンはCRF150Fポスト2005エンジンから取られました」というのは時制に矛盾があるのでは?
CRF150Fは 2006年に発売されたインドネシア生産のバイクで日本にも少数輸入されていたようです。
CRF150Fのボア・ストロークは、57.3 mm x 57.8 mmの排気量 149.15 ccです。
Unicorn 160のボア・ストロークは、57.3 mm x 63.096 mmで排気量 162.71 ccです。
エンジンの骨格としては近いものがありそうです。
分かる範囲で縦型空冷の 150cc/160ccエンジンを積んだバイクを発売順に並べてみました(色付きは 150cc)。
Model | MY | Dist | Name | E-type | B/S※ |
---|---|---|---|---|---|
CRF150F | 2003 | BR | CRF150F(KPT) | KE01E | |
CRF150F | 2003-2005 | A/CM | CRF150F(KPT) | KE01E | |
XLR150/NXR150 | 2003-2005 | BR/LA | NXR150 BROS(KRE) | KD02E | |
CG150ES | 2004-2006 | BR/MX/LA | CG150 TITAN(KRM) | KC08E | ◯ |
CBF150 | 2005-2012 | ID/LA/CO/PE | Unicorn(KSP) | KC09E | |
NXR150 | 2006 | BR/LA | NXR150 BROS(KRE) | KD03E | ◯ |
CRF150F | 2006-2011 | A/CM | CRF150F(KPT) | KE02E | |
CBF150SH | 2006-2011 | CH | CBF150(KTT) | ||
CBF150SH | 2007-2010 | MO/TU | CBF150(KTT) | ||
CRF150F | 2007-2015 | U | CRF150F(KPT) | KE02E | |
GL1501WH | 2009 | IN/KO/MA/U | WH150(KYA) | ||
GL1501SH | 2009 | CH | Fighthawk(KYA) | ||
NXR150ESD | 2009 | BR | NXR150 BROS(KRE) | KD04E | ◯ |
NXR150ESD | 2010-2013 | BR | NXR150 BROS(KRE) | KD05E | ◯ |
NXR150ESD | 2009-2013 | LA | NXR150 BROS(KRE) | KD04E | ◯ |
GL150MC | 2010 | IN | MEGA PRO(KYE) | KC21E | |
CBF150WH | 2011 | CH | RR150(KZG) | ||
CBF150M | 2011-2012 | CO/PE/LA | CB150 INVICTA(KSP) | KC09E | |
GL1501WH | 2012-2013 | MX/LA/PE | WH150(KYA) | ||
CRF150F | 2012-2015 | BR | CRF150F(KPT) | KE02E | |
CRF150F | 2012-2017 | A/CM | CRF150F(KPT) | KE02E | |
CBF150M | 2013 | ID | CB Trigger(K21) | KC19E | |
GL150 | 2013-2024 | PH | TMX(KYA) | ||
CBF150M | 2014 | LA/MX | INVICTA(K21) | ||
GL150MC | 2014 | IN | MEGA PRO(KYE) | ||
CBF160 | 2015-2017 | ID | CB Unicorn 160 BS-IV(K38) | KC20E | ◯ |
CBF160M | 2016 | ID | HORNET 160R(K43) | KC23E | ◯ |
CBF160 | 2016-2017 | GS | CB Unicorn 160(K38) | KC20E | ◯ |
CG160CES | 2016 | BR | CG160 TITAN(KVS) | KC22E | ◯ |
CRF150L | 2017 | PH | CRF150L(K84) | ||
CBF150M | 2017 | ID | CB Unicorn BS-IV(KSP) | KC31E | |
CBF160M | 2017-2019 | CO/LA/MX | CB160F(K43) | KC23E | ◯ |
CRF150L | 2017-2019 | IN | CRF150L(K84) | ||
GL150 | 2018 | PA | CB150F(KYA) | ||
CG160CES | 2018-2019 | BR | CG160 TITAN(KVS) | KC22E | ◯ |
CBF160FS | 2018-2021 | ID/SL/BA | X-BLADE(K0E) | KC35E | ◯ |
GL1502WH | 2019 | CH | WH150(KYA) | ||
CG160CES | 2020 | BR | CG160 TITAN(KVS) | KC22E | ◯ |
CBF160/A | 2020-2025 | ID/GS | Unicorn(K1K) | KC40E | ◯ |
GL1506WH | 2021-2023 | PE/AG | GLH150(KYA) | ||
CG160CES | 2022 | BR | CG160 TITAN(K2G) | KC25E | ◯ |
CBF150S | 2024 | LA/MX | CBF150S(K3Y) | ||
CG160ES | 2024 | BR | CG160 TITAN(K2G) | KC25E | ◯ |
CBF160FS | 2024-2025 | ID/BA | SP160(K0E) | KC35E | ◯ |
CBF160FS | 2025 | ID | SP160(K1K) | KC40E | ◯ |
CG160ED | 2025 | BR | CG160 TITAN(K2G) | KC25E | ◯ |
GL1501SH | 2025 | CH | GLU150(K3L) | ||
GL1503SH | 2025 | AG/PE | GLH150(K3L) | ||
こうやって並べてみると、Unicornのエンジンの源流は 2006年の CG150 TITANのようです。
バランサーシャフト付なのは CG150 TITAN MIXと 06M NXR150、そして Unicronをはじめとする 160ccモデル、CB200Xなどの 190ccモデルだけです。
CG125のボア・ストロークは 52.4 mm × 57.8 mm(15M Wave125iと同じ)で、CG150 TITANはそのボアアップ版のように思えますが、OHC化やバランサーシャフトの内蔵など骨格から見直して別エンジンになっていると見るべきでしょう。
それにしてもインドが熟成した 160ccエンジンが、22MYでブラジルに帰還してCG160 TITANになっているのは感慨深いね。
CG150 Motorcycle Engine Specifications and Models
The versatility of the CG150 engine makes it a popular choice for a variety of motorcycle models. Below are some of the prominent bikes that feature this reliable engine:
Honda CG150 Titan: This model is one of the direct descendants of the original CG series. Known for its robust build and reliability, it is a common sight in many countries, particularly in South America.
Yamaha YBR 150: Yamaha’s entry-level motorcycle, the YBR 150, employs the CG150 engine for its proven performance and efficiency.
Suzuki GN150: A classic cruiser style motorcycle that benefits from the smooth and reliable performance of the CG150 engine.
Bajaj Boxer 150: Popular in markets like Africa and South Asia, the Boxer 150 uses the CG150 engine to provide dependable performance in rugged conditions.
Hero Achiever 150: A commuter bike that combines the CG150 engine with modern design
ホンダとの合弁中に NXR150を作っていた HEROはまだしも、中国ヤマハや中国スズキもコピーしていたのか!