支那エンジンのフライホイール

これまであまり気にしていませんでしたが、最近フライホイールに興味が向いています。

DSCN1561.jpg

写真は支那エンジン(無変速)のフライホイールです。 セル付なので、ジョルカブと同じ形態です。 内側にマグネットが仕込んであります。 重さは1,250gありました。
外周に見える突起は、ピックアップで点火タイミングを拾うためのものです。

DSCN1562.jpg

裏側にスタータースプロケットと組み合わされる、ワンウェイクラッチがあります。


なぜ今、フライホイールなのかというと、少し過剰なくらいの低速トルクを弱めて、その分吹け上がりを軽くしたいと思ったからです。 そのためには、フライホイールを軽量加工する必要があります。
一般的には旋盤で削って、200gくらい軽くするようです。


それで、セル付横型エンジンのフライホイールについて少し調べてみたのですが、機種によって部品番号が違うんですね。 みんな同じかと思っていたんですが。

フライホイールの重さが変われば、同じエンジンでもトルク特性が変化しますから、車両のキャラクター(使われ方)や車重に合わせて専用に設定されているのかもしれません。
あるいは、機種による点火時期の違いはCDIだけでなく、フライホイールの突起の位置も違うのかもしれません。 現在はジョルカブのフライホイールに、C90のCDIの組み合わせなので、ちょっと不安になりました。


そこで、アストロプロダクツで大きな分度器を買ってきました。 まず支那のフライホイールをチェックしてみます。
まずTマーク(上死点を指す)を0度に合わせて置いてみます。

DSCN1575.jpg

Fマーク(アイドル時の点火時期)は15度を指しています。 C90やC100EXと同じですね。 その外側の2本の線は、進角した時の角度でしょうか。

DSCN1572.jpg

この状態で、フライホイールは時計方向に回転します。
ウッドラフキー(クランクピンと一致)は約70度の位置。 横型エンジンは、水平から10度シリンダーを起こしているのですが、計算が合いませんね。

DSCN1573.jpg

点火タイミングの突起は、Tマークからウッドラフキーとは逆方向に105度でした。 エッジで取るなら95度くらいでしょうか。

ピックアップとジェネレーターのコイルは、Lクランクケースカバーの内側にあります。

DSCN1569.jpg

Tマークの覗き窓を0度とすると、ピックアップの位置は125度の位置にありました。

DSCN1570.jpg

シリンダー(赤線)とTマーク覗き穴(緑線)の角度は80度。 覗き穴とピックアップ(黄線)の角度は125度。

DSC01957.jpg

フライホイールの計測結果が正しいなら、Tマークが覗き穴に来たときに、クランクは上死点手前10度の位置で、突起はピックアップを20度通り過ぎていることになります。 うーむ。 ホンマかいな。


軽量加工(当然外注です)に出すとしても、今使っているのを外して加工する訳にはいきません。 支那で代替という手もありますが、今のを外すのが面倒なので、新しくフライホイールを注文しました。

せっかくなので、CDIと同じC90のフライホイールです。 重さや突起の位置が、ジョルカブとどの程度違うのか(あるいは同じなのか)興味深いところです。