「コモディティ」と「最先端」の戦い Liイオン充電池の覇者は?

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18650型Liイオン電池はEV/PHV向けに普及するか

現在、車載用リチウムイオン電池のコストは、kWh当り15万~20万円(150~200円/Wh)と言われている。
 
一方18650型リチウムイオン電池セルは、一般にはノートパソコンやデジタルカメラ、LEDフラッシュライトなど民生用電子機器に広く使われているデファクトスタンダードである。市場には日本のパナソニックや三洋電機の他に、韓国や中国の多くの電池メーカーが参入している。コモディティ化が進んでいるため、25円/Whと低コストだ。(中略)
 
では、なぜ自動車メーカーは、低コストな18650型のリチウムイオン電池セルを使用せず、わざわざ何倍も割高になる車載専用のリチウムイオン電池セルを電池メーカーと共同開発しているのか。
 
その理由は、車載用では通常の民生用電子機器よりもはるかに厳しい条件下での使用や耐久性、安全性が要求されるからだ。例えば、安全性の面では、ノートパソコンのリチウムイオン電池は発火したり、爆発したりといった事故のニュースがまだ記憶に新しい。これは安全第一、人命第一のクルマでは致命的なことである。(中略)
 
しかし、ここにきてパナソニックや三洋電機も18650型セルを使った電池システムの技術を明らかにしたことで、この流れが加速する可能性が出てきたと言える。
 
極端な場合を想像すると、例えばこんなケースだ。中国の18650型セルを製造する電池メーカーが、米Teslaやパナソニック、三洋電機などと同様に18650セルをベースとした電池パックの監視や制御のシステムを開発、低価格なEVやPHV向けの電池パックとして中国やインド、欧米の新興EV メーカーに提供するといったシナリオだ。

もう5年も前になりますが、MCIX23のLiイオン充電池の中身を自分で交換したことがありますが、中身は18650型セルでした。

Liイオンに限らず、充電池は専用の充電器以外では、性能や安全が保証されません。 また、使用するセルの数が多くなると、特性の均一さを守るのが難しくなるという問題もあります。
あと、充電池に要求される出力特性は、ハイブリッド車と電気自動車で相当違うようです。 プラグインHVはさらにまた違うみたいです。

それでもコストが1/8なら特性には目をつぶり、とにかく充電池を大量に積んでアラを隠すというアプローチもあり得るでしょう。 車両重量は重くなりそうですが。

EVで先行したい日産は、ラミネート型で突っ走るようです。

日産 EV…ラミネート型バッテリーを採用 | レスポンス自動車ニュース(Response.jp)

日産はLIBのスペックを公開していないが、総電圧345ボルト、エネルギー容量24kWhという数値から、1セルあたりの電圧は約3.6ボルト、電力量は約120Whで、モジュール換算では14.4ボルト、480Wh。そのモジュールを24個ずつ直列接続したものを2系統並列接続——という構成であると推測される。
 
ラミネート型バッテリーは小型軽量化しやすく、冷却性が良好というのが大きなメリット。ただ、バッテリーパックの総重量は約300kgと、決して軽くはない。100kgあたり8kWhというバッテリーパックトータルのエネルギー密度は、マンガン酸リチウムではあるが角形のハードセルを使用する三菱のEV『i-MiEV(アイミーブ)』とほとんど変わらない。
 
ちなみにi-MiEVはLIBの安全マージンを相当に大きく見積もっており、バッテリーの実際の最大容量は定格の2倍の32kWhであると発表している。日産がマージンをどの程度取っているかはスペック非公開のため不明で、競争力も未知数である。いずれ仕様がオープンになれば、NEC-日産連合の技術的なポジショニングも次第に明らかになってくるだろう。

純粋に技術的に考えたら、ラミネート型の方がパッケージングは優れていると思います。
ただDRAMにおいて、技術的には優位性があったRambusが主流とならず、JEDECにより規格されたDDRが主流となっているのと同じことが、Liイオン充電池で起こる可能性はかなりあります。

日産はポルトガル、フランス、日本、米国および英国に、Liイオン充電池の製造拠点を設ける計画を発表しています。 さて、どうなりますやら。