汎用の「Liイオン充電池モジュール」

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夢を紡ぐ:地球に優しい新技術/5 蓄電池 「安く」「軽く」「安全」追求 - 毎日jp(毎日新聞)

湯浅浩次さんのチームは、2年前から新たな取り組みを始めた。リチウムイオン電池は通常、商品や用途別に設計される。例えばEVの多くは、直方体の角形電池を使う。だが、目を付けたのはパソコンなどに使う円筒形のリチウムイオン電池(直径1・8センチ、高さ6・5センチ)。「年間3億本も生産する汎用品で廉価。コストが大幅に削減され、一気に普及する」と考えた。
 
試作を重ねてたどりついたのは円筒形のリチウムイオン電池を20本ずつ7列、計140本並べた「電池モジュール」と呼ぶ蓄電池。モジュール1個は重さ8キロで、容量は1・5キロワット時。1日5キロワット時が必要とされる一般家庭なら4~5個、軽自動車なら12~13個、電動バイクならわずか1~2個でまかなえる。「将来の生活に欠かせないものになると思う」
 
発売は早ければ1年後で、価格はモジュール1個5万~10万円となりそう。1キロワット時あたりでは、EVに用いられる角形電池の半額以下になる計算。量産化すれば「5万円以下」になるとみられ、住宅への設置や車への搭載が期待されている。

だんだんとコレがEV用充電池の本命になるような気がしてきました。 オーダーメイドの高性能電池の価格が高止まりしている間に、一気に普及してもおかしくないです。
「廉価は高価を駆逐する」のかもしれませんね。

【CEATEC】18650セルを140本用いたリチウムイオン電池モジュール、直流給電にも対応可能 | EDN Japan

18650サイズの円筒型リチウムイオン電池セルは、ノート型パソコンの2次電池の用途をはじめ、リチウムイオン電池セルとして最も広く利用されている。今回の開発したリチウムイオン電池モジュールには、パナソニックが独自に開発したニッケル系正極材料を用いることで高容量と高い耐久性を実現した18650サイズのセルを採用している。また、正極と負極の間に耐熱絶縁層を設けることで、異物混入による短絡が原因となって発生する熱暴走を防止するセル安全技術も取り入れている。さらに、モジュールには、セルの一部に問題が発生した場合でも、電力供給への影響を最小限にとどめるための信頼設計技術を適用した。
 
同モジュールは、直列接続した7個のセルを、20組並列で接続しており、総計140個のセルを使用している。すべてを直列で接続しているわけではないので、1個のセルに問題が起こっても、それに直列接続されている残り6個のセルが使えなくなるだけで済み、モジュール全体が機能停止することはない。また、 18650サイズのセルが、ノート型パソコンをはじめさまざまな用途で採用実績があることも大きな強みとなる。さらに、携帯機器向けから、蓄電システムや電気自動車用まで、幅広い用途を18650サイズのセルでカバーすることにより、量産による大きなコスト削減効果が期待できるとしている。
 
モジュールの主な仕様は以下のとおり。体積は約7リットル。質量は約8kg。出力電圧は25.2V。容量は58Ahで、エネルギー容量は1.5kWhである。パナソニックは「現在規格化が進んでいる直流給電システムの電源電圧は、24Vもしくは48Vになると言われている。今回のモジュールの出力電圧であれば、24Vの場合には1個で、48Vであれば2個直列で接続することにより対応できるだろう」としている。

プリウス・プラグインのバッテリーは5.2kWh(重さ120kg)だそうですから、このモジュールが6個あれば足りますね。 日産リーフ(24kWh)なら16個ですね。

さらに高容量の18650セルの開発も進んでいます。

【PC Watch】 パナソニック、4Ahの大容量リチウムイオン充電池を開発 ~ノートPCの駆動時間を2倍に

同社では、直径18mm、高さ65mmの18650サイズのリチウムイオン電池において、12月18日に、量産品として3.1Ahの製品を発表しているが、今回発表したのは、同じ18650サイズのリチウムイオン電池で、ニッケル系正極を進化させることで、3.4Ahを実現した電池と、ニッケル系正極を用い、さらにシリコン系合金負極を採用することで、4Ahの高容量化を実現した電池の2製品。3.4Ah電池は、「2011年度の早い段階で量産化したい」(パナソニック エナジー社の野口直人社長)としたほか、4.0Ah電池は2012年度の製品化を目指すという。
 
3.4Ah電池では、プロセス革新の取り組みにより、3.1Ahに比べて、エネルギーを11.2Whから12.2Whへ、エネルギー密度を675Wh/Lから730Wh/Lへと10%高エネルギー化。2.2Ahに比べてエネルギー率を55%も向上しているという。
 
「高容量かつ充電状態で安定した材料を開発することで、高容量、軽量、高耐久性を実現した。充放電回数が増えても、高い容量維持率を維持でき、コバルト系正極に比べて、2倍以上の耐久性を持つ」という。
 
実用化検討中の電池モジュールに適用することにより、家庭用太陽光発電(PV)や燃料電池向けの蓄電システム、電気自動車(EV)用電源などにも応用できるとしている。
 
また、2012年度の商品化を目指す18650サイズの4.0Ah高容量電池は、負極にシリコン系合金を採用したシリコン系材料技術と、プロセス技術により、充放電繰り返し時の合金負極電極群の変形を解消した。

18650セルで5.0Ahを超えてくると、かなりEV時代が近づいてくるような気がしますね。
大容量のバッテリーを安価で積めるなら、少々の特性の違いはその容量の大きさでカバーできるのではないかしらん?

それに電池モジュール自体の規格化が進めば、モジュール単位で交換することも可能になるかもしれません。 当然、モジュールに使われているセルの特性をICチップに記録した、スマートバッテリーになっているので、充電器はバッテリーに合わせた充電をしてくれるはず。
さすがに特性の違うモジュールを混在させると問題になりそうですが...