読売巨人軍の清武英利球団代表は、先日亡くなられた木村拓コーチの高校の先輩にあたるそうです。
木村拓コーチ「悪化の一途」と清武代表 - 野球ニュース : nikkansports.com
巨人清武球団代表は4日、くも膜下出血で倒れて広島市内の病院に入院中の巨人木村拓也内野守備走塁コーチ(37)の容体について「正直に言うと、悪化の一途をたどっている。非常に厳しい状況です」と、意識不明の危険な状態が続いていることを明かした。付き添っている家族も憔悴(しょうすい)しているといい「奥さまやご両親もお疲れになっていて、見ていて痛々しい」と沈痛な表情で話した。
この日は木村拓コーチの地元・宮崎で、恒例となっている小学生のソフトボール大会「木村拓也杯」が開催されていた。本人は大会のためにバットやボールをプレゼントしていたという。清武代表は「そういう日なのでいい報告がしたかったが、いい報告はできない。(本人も家族も)奇跡を待って闘っている」と回復を祈った。面会謝絶の状態だが、同代表は帰京の予定を変更し、広島に残って見守ることにした。
その後、残念ながら木村拓コーチは亡くなられたのですが、
巨人・清武代表、木村拓コーチの自宅弔問(サンケイスポーツ) - Yahoo!ニュース
巨人の清武球団代表は会見後、広島市内にある木村拓コーチの自宅を弔問した。家族に1、2軍それぞれで黙祷(もくとう)を行ったことを報告し、選手からのメッセージも伝えた。同代表は棺の中の木村拓コーチに「拓也、よく頑張ったな」と涙ながらに声をかけたという。また、桃井球団社長も東京から空路広島入り。「残念でなりません」と冥福(めいふく)を祈った。この日は親族や友人が弔問。自宅にはラミレスから贈られた花も飾られていた。
『巨人軍は非情か』を知ったのは、「優秀な係長に仕えた社員は、優秀な成績を残す」というエントリーを書いたときです。 それ以来気になっていたのですが、購入して読んでみました。
とても面白かったです。 巨人のファンに限らず、プロ野球ファンなら目を通しておいて損はないです。
以下に、本書で特に印象に残った部分を書き写してみました。
確か広島戦だった。七回裏に同点で一死満塁。勝ち越しの場面で、五番の二岡は代打を送られてしまった。そのころ、二岡は生彩のない打席が続いていた。
原監督は私たちの想像以上に我慢の人である。ベンチで短気を起こしたはずがない。選手に強い奮起を促したと私は受け止めたが、思い詰めたような二岡の顔を見ていると、思わずロッカーから「修行」の湯飲みを取り出してしまった。
翌日、二岡が「ありがとうございます」と頭を下げてきた。私は恥ずかしかった。人一倍負けん気の強いプロフェッショナルに、何とばかなことをしてしまったのだろうと思った。かっとしていたのは私の方だったのだ。(p.133 「内発的動機」より)
選手や監督、コーチ、スカウト、球団職員などに対して深い愛情とフェアな態度で接する方だというのがよく分かります。
代表の部屋にあるパネルから、戦力外通告した選手のプレートを外す際のことです。
プレートを外すとき、私はしばしば、「翻身(ファンシェン)」という中国語を思い浮かべる。言葉通りに訳せば、身を翻すこと、体の向きをかえるということだが、中国革命の際には「立ち上がる」という意味で使われた。
球団を出る、あるいは去らざるをえない選手を、記者たちはひとくくりにして「戦力外」とか「放出」と片付け、同情の言葉で包もうとする。しかし、実際には選手と家族はたくましく身を翻し、起きあがっていく。(p.251 「あとがき」より)
日本企業では従業員を解雇するのは簡単ではありませんが、事業構造の変化により従業員を再配置するということはよくあります。
ときには本人の意に反した異動を内示しなければなりませんが、これが難しいです。 まさしく真摯さが必要な場面ですが、相手が自分が入社したときに仕事を教えてもらった先輩(10コ以上も年上)だったりすると、非常に辛い仕事になります。
この「翻身」という言葉、自分も覚えておきたいと思います。