トヨタ伝 (新潮文庫)
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読売新聞特別取材班
新潮社
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擬似「宗教国家」の形成確かに「伝」と呼ぶに相応しいです
苦難を乗り越えていく世界的企業
「トヨタ」はどのようにして形づくられてきたか
トヨタがわかる
これも連休中に読み終わりました。
なんでこの本を読んだかというと、『巨人軍は非情か』を書いた清武英利 読売巨人軍球団代表が、読売新聞中部本社の社会部長だった頃に陣頭指揮して取材した本だったからです。
「優秀な係長に仕えた社員は、優秀な成績を残す」という話も、この取材の中から出てきたものです。
内容はまさに「口伝」。 トヨタ養成工一期生など、膨大なインタビューによって「宗教国家」トヨタの全貌を明らかにしています。
印象的だったのは「社員をひとりにさせない」という考え方。 「人間は一人にしておくと、不満のはけ口をなくし、暴走する」ので、「職場単位の行事を通じて、縦・横・斜めのコミュニケーションを深め、人間関係の輪の拡大を図る」そうです。 単なる親睦ではなく、最初から労務管理の一環として行われているわけですね。 自分なら耐えられないわ。
ただ、そんなトヨタもグローバル化や若者の意識の変化には抗えず、徐々に「普通の企業」になりつつあるようです。
今までは個人の努力で補っていた部分が綻んできたのが、昨今の大量リコールに現れているような気がします。