ゴールドラット博士を悼んで 親交の深かった二人の日本人からの追悼文|エディターズ・チョイス|ダイヤモンド・オンライン
その内容は、「いかに偉大な人物の偉業から学ぶか」ということでした。科学は、偉大な人物の偉業から学び、その「巨人の肩の上に立って」進化していく――そのプロセスをつまびらかにしていき、私たちが、知識を今後も発展させていくことを可能にするロジックを教えてくれました。これが、彼の最後の教えとなりました。それは、シンプルに“Never say I know”(わかっているとは決して言わない)です。
「人はもともと善良である」
「ものごとは、そもそもシンプルである」
「あらゆる対立・矛盾にも、妥協のない解決策は存在する」
この三つを信念に、博士はこれまで理論を築いてきました。そして、もう一つ、Never say I knowという大切な信念を語ったのです。この信念こそが、常に知識体系を進化させるエンジンとなっていくというものでした。
死を意識したときに、自分の生活をまったく変える必要がない。それほどまでに充実していた自らの人生を実感し、改めていかに自分が幸せかを感じる。そんな人生を生きた博士。その偉大さに改めて感動した次第です。このような偉大な師匠を持つことができ、私は幸せでした。
『ザ・ゴール』と『クリティカル・チェーン』を持っていますが、どちらも面白かったです。
何の「真理」でも同じなんですが、当たり前に聞こえて納得、共感できるものの、実践しようとすると非常に難しいものです。
その考えが血肉化されて、呼吸をするように考えられるようになるまで、不断の努力をするしかないのでしょう。
博士のご冥福をお祈りいたします。