日産、次期ノートに新たなPURE DRIVE エコスーパーチャージャー搭載 | レスポンス (ニューモデル、新型車のニュース)
HR12DDRエンジンの開発主管を務める岸一昭氏は「このエンジンは過給機付きでありながら圧縮比をNA(自然吸気)よりも高めているというのが特徴」と語る。実際、現行ノートに搭載されているHR15DEの圧縮比は10.5、またHR12DEが10.2となっているが、HR12DDRは12.0といずれも上回っている。
「過給に対してノッキングを防ぐために若干圧縮比を下げにいくというのが普通。しかしこのエンジンはピストンにクリーングチャンネルを入れたり、高熱伝導のピストンリングを使ったりして燃焼室から熱を取り除くことをまずやった。さらに一番熱くなるエキゾーストのバルブのところにはナトリウム封入バブル、それに真鍮のバルブガイドでエンジンの熱を捨てることで、ノッキング対策をした」という。
もう機構的な意味での圧縮比で語っても無意味でしょ? どうせほとんどの領域で遅閉じして圧縮比を下げるんだから。
ところでこのエンジン、マーチが発売されたときにもその存在が言われましたが、出て来るまで2年も掛かったんですね。
さらにミラーサイクルの採用でポンピングロスを低減するとともに、水素フリーDLCコーティングしたピストンリングおよびバルブリフタ、可変容量オイルポンプ、回転変動吸収クランクプーリーなどのフリクション低減技術の採用により、HR12DDRのJC08モード燃費は25.2km/Lと「クラスナンバーワンの燃費を達成。(エコカー減税)100%免税になる」としている。
しかも岸氏は「JC08モードではスーパーチャージャーは作動しない。作動しないトルクで十分走り切れる」と明かす。それにもかかわらずスーパーチャージャーを付けたことについて岸氏は「街中を走ってる時は、高圧縮でミラーサイクルかつ3気筒でフリクションも色んな面で小さい非常に燃費の良いエンジンとして活躍する。加速したい時はスーパーチャージャーが走りをサポートするそんなエンジンになっている」と述べた。
ここまで頑張っても、アクアの35.4km/LはともかくフィットHVの26.4km/Lにも届かないんですね。
かろうじて25.0km/LのデミオSKYACTIVはかわすことができましたが、次のFMCでデミオがフルSKYACTIVになったら再逆転は必至でしょう。
「3リッターカー実現のエッセンスが完成した」とのことでしたが、4リッターカーになっちゃいましたね。 それもJC08モードではスーパーチャージャー(SC)を働かせないとは。
「SCを働かせない」=「エコスーパーチャージャー」ということなら、ちょっと残念。 「だからダウンサイジングターボは・・・」とマツダの人見氏に言われちゃいそうです。
Car Watch 日産、新型「ノート」搭載のエコスーパーチャージャーエンジン「HR12DDR」説明会
ポンピングロスの低減を図るため、HR12DDRエンジンではCVTC(連続可変バルブタイミングコントロール)によって吸気バルブの閉じるタイミングを遅くすることで、実質的な圧縮行程を短縮して膨張行程を長くし、熱エネルギーを有効に運動エネルギーに換えるミラーサイクルとともに、外部EGR(排出ガス再循環)を採用した。
ポンピングロスを減らすためにミラーサイクル化しているわけだが、「燃料のミキシングのために強いタンブル(吸気行程でシリンダー内に発生する混合気の縦渦)をつけているが、ミラーサイクルでは圧縮して火を点けにいく段階になると、(遅閉じの吸気バルブにより)強いタンブルが消えていってしまう」問題が起こる。
そこで、スワール(混合気の横渦)コントロールバルブを採用し、乱流を維持する構造を取っており、「(混合気を)均一にするためにタンブルを使い、火付き性や燃焼期間を短くするという意味でスワールを用いる。この2つを使うことで、燃費性能を高くしている」と岸氏は説明する。
なるほど。 遅閉じ式ミラーサイクルでは、そういう問題も出るんですね。
日産、9月に発売する新型「ノート」を公開、1.2LスーパーチャージャエンジンでJC08モード燃費25.2km/L - クルマ - Tech-On!
HR12DDRエンジンは、「マーチ」に搭載されているアイドリングストップ機構付き直列3気筒「HR12DE」エンジンをベースに、直噴化し、スーパーチャージャを装着したもの。欧州仕様のマーチでは2011年秋から搭載が始まっている。(中略)
新型ノートの発売を機に、「ティーダ」は国内販売をやめて、ノートに統合する。2600mmのホイールベースは現行型ティーダと同じで、新型ノートの室内スペースはティーダ並みに拡大したという。国内向けノートは日産自動車九州で生産し、年産12万台を予定する。ほかに北米、欧州でも生産することが決まっている。世界生産・販売台数は35万台を計画している。
これまでティーダに乗っていたユーザーをノートに乗り換えてもらうために、新型ノートには装備を充実させた「メダリスト」と呼ぶ上級グレードを設定する。メダリストというグレード名はかつて「ローレル」に用いていたもので、ノートで復活することになる。
へー。 マーチのSC仕様はもう売ってたんだ。 なんで国内販売しなかったんだろうね?
「ティーダ」を止めてしまうのは、実にもったいないですね。 日産車の中では品があったし、サニーやパルサーの後継として車名も浸透していたと思うのですが、その後継が「のて」とは。
フィット・シャトルの開発者が、「スモールカー(Bセグメント)とコンパクトカー(Cセグメント)の客は違う」と言ってましたが、上級グレードでお茶を濁して納得してくれるでしょうか?
HR12DDRの排気量は1200ccながらアトキンソンサイクルなので吸気量少ない。公表されていないため具体的な数字は不明ながら、試作エンジンを取材した時に聞いたら900cc程度だという。つまり排気量900ccと同じくらいの出力と、800cc程度の燃費ということになります。
JC08燃費を計測する際は、スーパーチャージャーがほぼ稼働しないという。つまり800ccエンジンと同じくらいの燃費でJC08のテストを受けているワケ。おそらく街中の緩加速や、80km/hくらいまでの巡航は800ccエンジンでカバー出来てしまうのだろう。だから燃費が良い。
1500cc並のパワーを必要とする時はスーパーチャージャーで圧縮した混合気をエンジンに詰め込む。この時の燃費は、その時に使ったパワーに比例する。1,5リッターエンジン並の馬力を出すと、それなりの燃費になる、ということだ(ベースがアトキンソンサイクルなので少し良い)。(中略)
公表されていないものの、次期型ノートの25,2km/LってECOグレードのみになるようだ。普通のスーパーチャージャー付きノートのJC08は24km/L。それでも競合車となるフィットの燃費より良い。
いくらノロくても、JC08モード試験で失格になることはないですからね。
ダウンサイジングにも日本流 - クルマ - Tech-On!
もっとも、日本メーカーのダウンサイジングは、欧州メーカーのそれとは少し違うというのが私の印象です。欧州メーカーのダウンサイジングは、エンジンの排気量を縮小し、直噴化して過給器としてターボチャージャを組み合わせるというのが主流です。これに対し日産は、スーパーチャージャを選びました。
その理由は、低速域でのアクセルレスポンスを重視したことです。日産のHR12DDRエンジンは、部分負荷領域で吸気バルブが閉じるタイミングを遅らせる「遅閉じ」のミラーサイクルとして燃費を向上させています。しかし、ミラーサイクル運転の領域では吸入空気量が減るので、その結果として排ガスの量も減ります。これにターボを組み合わせてしまうと、アクセルを踏んでから加速度が高まるまでの時間が、自然吸気エンジンよりも遅くなってしまいます。これを嫌って、低速から高いトルクを発生できるスーパーチャージャを日産は選びました。いわば、中低速での加速度重視の選択といえます。
これに対して、欧州メーカーは高速走行時の燃費や出力を重視してターボを選択していると考えられます。つまり、今回の日産のダウンサイジングは、同じダウンサイジングでも「日本流」だと考えられるのです。
んー、でもそもそも部分負荷領域でSCを効かせる必要があるの? 出力が必要なら、まず先にミラーサイクルじゃなくて通常のバルブタイミングに戻すべきでは?
軽自動車用のターボエンジンを1リッター級のクルマに搭載したら燃費良くなるだろうか? ダウンサイジングターボになるのだろうか? この答えはすでに軽自動車で出ている。「ならない」だ。900kg級の軽自動車を見ると、やっぱりターボ無しエンジンの方がターボより燃費良いのだった。
残念ながら軽自動車用のターボは「パワー志向」となる。ではダウンサイジングターボ(正確には過給エンジン)とドコが違うのか? 結論から書くと「考え方」です。ダウンサイジングターボの圧縮比を見ると、ほぼすべて10対1以上。過給しない状態でも普通のエンジンのように使えるワケ。
この状態での燃費を追求する。そして通常の街中の流れは、この状態で使う。つまり軽自動車であればターボ無しエンジンの燃費と言うことになるのだった。そして必要なときだけ過給し、エクストラパワーを稼ぐ。何度も書いてきた通り、必要によって排気量が変わるエンジンだと思えば解り易い。
クルマを動かすのに「最低限のパワー」というのが1.0L程度なのかもしれません。 1.2Lをバルブ遅閉じでミラーサイクル化した状態とも言えそう。