それでいいのかホンダ!? (ITmedia ビジネスオンライン) - Yahoo!ニュース
新工場の生産能力は12万台とされている。前述の1~10月の累計を見る限り、グローバル生産台数が110%であるだけでなく、地域別に見てもほとんどのエリアで伸ばしている。特に中国の126.2%とアジアの117.4%は目を引く。次いで伸ばしているのは意外にも巷間に不振が伝えられている日本マーケットの112.3%だが、これはあくまでも生産ベースであり、輸出を含んでいるので、国内販売に直結するわけではない。同じくホンダが長年伸び悩みに苦しんでいる欧州も106.2%と好調だ。逆に台数を落としているのは「その他」でまとめられているエリアの83.4%で、消去法で見るとアフリカとトルコということになるだろう。表を確認してもらえればお分かりいただけるように、どちらも総生産台数におけるインパクトは小さく、影響は限定的だ。
確かに中国での生産力の増強は数字を見る限り妥当とも思える。しかし、話を根底から見直してみたときに、本当に600万台計画の白紙撤回原因は販売力が原因だったのだろうか?
言いたいことは分からんでもないけど、相変わらずこの池田ってひとは浅いな。
まず国内生産台数における輸出分の影響と国内販売の実勢については、ホンダはニュースリリースでちゃんと報告しています。
日本からの輸出は2016年 1-10月累計で 119,363台、前年比 285.1%です。 国内生産台数の 1-10月累計が 660,784台(112.3%)なので、輸出比率は 18.06%です。
輸出だけで捉えると伸びが大きいように見えますが、前年までの輸出が極端に少なかったのが異常なんです。
国内販売台数の 1-10月累計は 594,114台で前年比 95.1%です。 これだけ見ると「巷間に不振が伝えられている」と言いたくなるのでしょうが、登録車は 323,432台で前年比 98.6%と販売増が期待できる新型車が9月に発売されたフリードだけだったことを考えると悪くない数字です(前年が悪かったのもありますが)。
足を引っ張ったのは届出車(軽自動車)で 270,682台で前年比 91.2%です。 これは増税の影響や消費者の安全性の懸念で軽のマーケット自体が冷え込んでいるのが大きいです。
むしろ 1-10月累計で 1,570,796台(前年比117.4%)を生産し、北米での生産(1,669,895台、前年比 105.6%)に迫るアジアの方が国別に見ていくと問題が多いです。
それにコンビニやハンバーガーチェーンを見ても分かるように、閉鎖と新設を同時に行う「スクラップ&ビルド」は当たり前の戦略ですよ。 地域で閉じている中国で工場を新設するからといって、他の地域で工場を閉めないという訳ではありません。
まあ池田氏の言いたいことはそれが本題ではなく、以下のことなんでしょう。
では、どんな戦略があるのだろうか? 筆者は3つのシナリオがあると思う。マツダとトヨタのコモンアーキテクチャー戦略をよく研究し、ホンダの新しいアーキテクチャー設計に早急に入ること。これが一番順当なプランだ。
次に、欧州マーケットを重点目標から外し、英国・スウィンドン工場を閉鎖すること。実際スウィンドンの第2工場は2001年に竣工したにもかかわらず休止中であり、当面生産能力に見合うレベルで稼働させるのは不可能に近い。言葉を選ばなければ不良債権化しており、いずれにせよ余剰生産力を調整しなくてはならない可能性が高い。(中略)
3つ目は、トヨタ・アライアンスへの参加ということになるだろう。ホンダがグローバル販売台数を伸ばしていきたいのだとすれば、伸び代があるのは中国の非富裕層、インド、ASEANというアジアマーケットである。それらの新興国で求められるのは、経済性が高いことを最低条件に、それ以上の魅力のある小型車である。向こう10年を見るとそれは小型ガソリンエンジンか、それにマイルドハイブリッドを組み合わせたものになると考えるのが妥当だろう。ホンダは開発リソースをここに充てん投下すべきである。
はっきり言ってどれも「素人考え」の域を出ていないですね。 この時点で方法は別として「コモンアーキテクチャー」的アプローチに取り組んでいない完成車メーカーはないでしょう。 言われなくても既にやっていると思いますよ。 北米で売っているシビックや新型CR-Vのプラットホームをよく確認しましょう。
HUMはいま北米向けシビック5Drの輸出で忙しいそうです。 お金かけて体改したばかりだし、全面閉鎖は当面ないのでは?
必要性があればトヨタと提携をする可能性もゼロではないでしょう。 彗星が2つに割れて落ちてくる可能性もゼロではないですが、それよりは低そうです。
そして、販売台数を増やしたければ、どうしても新型車を投入しなくてはならない。例えば、今売れているヴェゼルはフィットのシャシーを流用しているが、なぜだがホンダはそこでシャシーが「ほとんど作り直しレベルである」と自慢する。
「あり合わせの素材で作ったのではない」という点を強調したいのだろうが、そうやって車種ごとに細切れにされ配給された限定的なリソースで厳しい開発を行うくらいなら、フィットのシャシーをコモンアーキテクチャーとして、人も資金も重点投入し、それを他車種に水平展開していった方が良いものが早くできる。トヨタはプリウスをコモンアーキテクチャー化したからこそ、リヤサスペンションに旧来はコスト的に許容できなかったダブルウィッシュボーンを投入できたのだ。ヴェゼルが成功した以上、当然アコードベースのSUVも出てくるだろうが、これも本来アコードの開発に織り込んであれば、より良い製品が安く早くリリースできるはずである。
ところがホンダはそれをやらない。しかもコモンアーキテクチャー化が進んでいる競合他社と戦う以上、同等のスピードで開発を進めなくてはならない。ちょうどコンピューターシミュレーションによる設計が当たり前になった結果、とにかく作れば良いというのであれば時間短縮は可能なのだが、そこに問題が潜んでいる。そうやって従来方式で培われた検証期間をショートカットしてリリースするからリコールが増える。リコールが増えれば、仕事が手戻りしてまた開発リソースが逼迫(ひっぱく)する。そして新型車の投入が遅れ、無理に急ぐことでリコールが発生しやすい状況を再度生み出すという悪循環である。そうして、せっかく虎の子をはたいて準備した生産設備の稼働率が落ちる。
ホンダのここ数年を見ていると、内部で起きていることはそういうことなのではないかと筆者は思っている。つまり、「どんどん新型車を作れ!」「早く安く作れ!」ということを現場にただ押しつけている。本来「どんどん新型車を安く早く作れる仕組み作り」をしていかなければならないのは経営側であって設計現場ではないのだ。この状況で生産キャパシティを上げれば、また生産設備の稼働率を上げるための新型車開発のスパイラルに入っていく可能性が高い。だから順番として、生産設備の拡充よりも、モノ作りの合理化を先に進めなくてはならないはずだ。
ここは正論というか、まあ正しい。
ただ「そうやって従来方式で培われた検証期間をショートカットしてリリースするからリコールが増える」というのは違うよね。 印象操作と言われても仕方がない。
フィット/ヴェゼルの7DCTのリコールはZFのブラックボックスだった新技術(7DCT)の検証方法が確立できていなかったのが原因だし、タカタのエアバッグは他社も同じ。 それ以外で「ホンダ車はリコールが多い」とは言えないのでは? 一時期のトヨタはリコールが非常に多かったけど、あれとは状況が違うと思います。
技術者というのは、5年分を一括企画しようが、共通に使えるモジュールを開発しようが、1年後には「あそこはもっとあーすればよかった」とか「専用で部品を起こせばこんなに良くなるのに」と考えるものです。
マツダみたいに毎年ちょこまか変えるくらいなら、最初から良い物を出した方がいいのでは?という考え方もありますよね? マツダはアーリーアダプターに市場テストをさせているようなものですし。
今回の事件が起こる前から、VWでは利益率の低い体質が問題になっていた。VWグループ内で、VWブランドのみの営業利益率を取り出すと、2011年の4%から2014年には2.5%へと落ち込んでおり、MQB導入後のほうが、むしろ利益率は下がっている。アウディの高い利益率に支えられて、グループ全体の営業利益率は5.9%を確保しているものの、トヨタが10%の営業利益を上げているのと比べると、半分程度にとどまる。
この原因については、MQBの開発・生産のために多額の投資をした割に、当初の目論見ほど部品の共通化率が上がらず、生産現場でも混乱があったためだと言われている。また、VWに詳しい欧州のコンサルタントに聞いた話で筆者が驚いたのは、MQBが生産設備の流用を考慮していないということだ。日本の完成車メーカーでは、ある車種が全面改良しても、生産設備は基本的に流用し、必要な部分を手直しする程度にとどめる場合が多い。これに対してMQBでは、次世代のMQBへの切り替えの際に、生産設備も全面的に刷新することを想定しているというのだ。
消費者は「コモンアーキテクチャーだから買う」わけでも、「シャーシがほとんど作り直し」だから買う訳でもありません。 出来上がったクルマのバリューが肝要です。
プリウスが先代よりも走りがマトモになったとはいえ、本当にTNGAでなければ達成できないほどのレベルなのか? TNGAにしたら売価が下がった(あるいはトヨタの利益率が上がった)のか? 同じことは VWの MDBにも言えますが、まだ判断は出来ないです。
ホンダが専用部品が多いのは今に始まったことではなくて、30年前はもっと酷かった。 良くも悪くもそれがホンダのDNAなんでしょう。 時代に適応できなくて滅びる可能性もありますが、一周回って手のひらを返したように「専用設計の方がいい」といわれる時代が来る可能性だってあります。
ただでさえ「ホンダらしさが足りない」と言われているのに、共通プラットホームで上屋を変えるだけになって、より一層の「トヨタ化」をするのが本当に良いことなのか考える必要があるでしょうね。
世の中には「三河へ、三河へと、草木もなびく」のが気に食わないという人もいるでしょう。
あ、そうそう。 「アコードベースのSUV」がなんちゃらとありましたが、4月に北京モーターショーで発表された「AVANCIER」って知ってます?