東海道と中山道

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学生の頃、五街道東海道中山道奥州街道日光街道甲州街道)について学んだときに、「東海道があるなら中山道なんか要らないんじゃね?」と思ったものでした。
なぜなら中山道は無駄に遠回りして距離が長いように見えたからです。

でも、原付で下道ツーリングで埼玉県から京都方面へ行くようになって、中山道というのはよく考えられた道だなと思うようになりました。

中山道 - Wikipedia

江戸の日本橋から板橋宿、高崎宿、軽井沢宿、下諏訪宿、木曽路、関ヶ原を経て近江・草津まで67の宿場(六十七次)がある。距離は東海道よりも40 kmほど長く、宿場も16宿多い[4]。宿場数が密であったのは、比較的険しい山道が多いことに加え、冬場は寒さも厳しい内陸の地域を通り、降雪時に通行が困難であったために、1日の歩行距離は短くなり限界があったからだと考えられている[4]。東海道に比べ大回りをする経路で、かつ、中山道には和田峠越えや「木曽のかけはし」通過などの難所[5]があったにもかかわらず、往来は盛んであった。船の使用が許されず川越人足であった大井川、安倍川や、険しい箱根峠など交通難所が多い上に、江戸幕府による「入鉄砲出女」の取り締まりが厳しかった東海道を避けて、中山道を選ぶ者も多くいたと言われている。また、中山道筋の旅籠の宿代は、東海道よりも2割ほど安かったとされる[4]。

実際、養蚕が盛んだった地域との流通も重要だったのでしょうね。

本来の中山道は軽井沢を通るルートらしいですが、現代ではR254内山峠を通る方が効率的です。
いま下道で東京から塩尻方面へ行くのに、わざわざ軽井沢経由で行く人はいないでしょう。 これまでの歴史でも、新道によってルートは変更されてきたわけですし。

でも内山トンネルが出来たのは1989年なので、まだ32年しか経ってないんですね。 トラックがあそこの旧道を通って往来するなんて、甲州街道の笹子峠(新笹子トンネル開通は1958年)と同じくらい考えられないですけどね。

同じR254の三才山トンネル開通が1976年なんで、内山トンネルはそれより13年も遅かったわけですが、内山峠の前後には他にも橋やトンネルが多数連なっているので時間がかかったんでしょう。
中央道の全通が1982年(恵那山トンネル開通は1975年)と考えると、内山トンネルが出来たのもそんなに遅かったわけではないかも。

和田峠も新和田トンネルが開通したのが1978年。 来年ようやく無料開放されるので、これまで以上に交通量が増えるでしょうね。
ちなみになぜ「新」が付くかというと、旧道の和田峠に「和田トンネル」があるからです。 まだ通ったことがないので、そのうち行ってみたいと思います。

ところで中山道は木曽路を通りますが、中央道はなぜR19沿いではなくR153に沿って作られたんでしょうね?

南アルプスを越えられなかった中央自動車道 | 日経クロステック(xTECH)

曲折がありながらも南アルプス経由で決まった中央道の建設計画。これが覆る出来事が、1963年に起きた。
 
中央道の早期着工・完成を推進するため、関係する自治体の首長などが「中央自動車道建設推進委員会」を構成していた。委員会が63年5月17日に開催した第6回総会でのことだ。長野県出身の国会議員でもあった委員長の青木一男(1889-1982年)が突如、ルートを北回りに変更する方針を明らかにした。独自の考え方として南アルプスを通らず甲府・諏訪を経由する迂回ルートだった。

元々は大月から富士吉田~身延ときて、南アルプスを貫通して飯田へ抜けるルートだったのは知ってました。
もしも最初から南アルプスを迂回するルートで検討していたなら、恵那山に長大なトンネルを掘らなくて済む木曽路ルート実現の可能性もあったかもしれないですね。


話を戻すと、キャンプ道具を積んでの原付ツーリングの場合、峠越えが難所になります。
埼玉県からの東海道ルートだと、R1による箱根越え、R246御殿場経由、R413山伏峠~R138籠坂峠ですね。

最近のGoogleは籠坂峠越え推しです。 トンネルがあるのはR413山伏トンネルくらいで、峠は越えていく必要があります。
これが現代の中山道ルート(R254~R19)だと、内山峠も和田峠もトンネルがあります(峠の前後に坂はありますが)。

さらにR1には原付NGのバイパスが3ヶ所(静清バイパス、藤枝バイパス、浜名バイパス)もあります。 これぞバイパスは現代における渡し船、「越すに越されぬR1バイパス」という訳です。
その点、中山道ルートにはそのような自動車専用道路はありませんし、信号が少ないのでアベレージも比較的高いです。 これで距離の不利はカバーできます。


ただ問題は中京圏の東西横断です。
東海道の場合はR23名豊道路という強烈なバイパス道があります。
大都市の109kmを2時間15分で駆け抜ける、まさにゲームチェンジャーです。 長時間の連続高速巡航に耐える精神力が必要ですが。
あれが無料で原付二種OKなら、R1のバイパスなんか屁みたいなものだと思います。

翻って濃尾平野北部には東西を横断する高規格バイパス道がありません。
R21(これも中山道を構成)があることはあるのですが、R23とは比べ物になりません(59km、1時間33分)。
2011年の四国ツーリングで走りましたが、とても時間が掛かったし疲れました。 ここが改善されると死角がなくなるんですけどね。

ただ、夜間に走るなら絶対に東海道がいいです。 山間部は暗いしコンビニも少ないし、やめておいた方が無難です。